最新記事
AI

「中国は最大の脅威」AIでアメリカ凌駕、台湾制圧能力も進展...米情報機関

2025年3月26日(水)16時22分
中国とアメリカの国旗

米情報機関は25日、世界の脅威に関する年次報告書を公表し、中国が引き続き米国にとって最大の軍事的およびサイバー上の脅威という認識を示した。(2025年 ロイター/Dado Ruvic/Illustration)

米情報機関は25日、世界の脅威に関する年次報告書を公表し、中国が引き続き米国にとって最大の軍事的およびサイバー上の脅威という認識を示した。

報告書は情報機関トップが議会上院の情報委員会で証言を行うのに合わせて公表。中国について、通常兵器による米国への攻撃に加え、インフラに対するサイバー攻撃、米国の宇宙資産を標的にする能力を有しており、2030年までに米国を超える人工知能(AI)国になることを目指していると指摘するなど、中国に対する懸念が全33ページの報告書の約3分の1を占めた。


 

ロシアについては、イランや北朝鮮、中国と同様に、計画的な作戦を通じ米国に挑み、優位に立とうとしていると指摘。さらにロシアのウクライナ侵攻が「大規模戦争における西側の兵器や情報活動とどのように戦うかについて豊富な教訓」をロシアに提供したという見解を示した。

中国による偽ニュース作成、台湾制圧などを懸念

報告書は、中国軍は大規模言語モデルを使用し、偽ニュースの作成や、攻撃ネットワークの構築などを計画している可能性が高いと指摘。「中国はほぼ確実に、2030年までに米国を世界で最も影響力のあるAI大国の座から追い落とすことを目的とした、多面的な国家レベルの戦略を持っている」とした。

また、中国は台湾に対する軍事、経済的な圧力を強める構えを示していると指摘。「人民解放軍は台湾を制圧し、米軍の介入を抑止、打破するために使用する能力を、一様ではないものの、着実に進展させている」とした。

ギャバード国家情報長官は情報委員会での証言で、中国を米国の「最も高い能力を持つ戦略的競争相手」と位置付け、「中国軍は極超音速兵器、ステルス航空機、先進的潜水艦、強化された宇宙・サイバー戦能力、大規模な核兵器の備蓄など、高度な能力を配備している」と述べた。

ガジェット
仕事が捗る「充電の選び方」──Anker Primeの充電器、モバイルバッテリーがビジネスパーソンに最適な理由
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

インドGDP、7─9月期は前年同期比8.2%増 予

ワールド

今年の台湾GDP、15年ぶりの高成長に AI需要急

ビジネス

伊第3四半期GDP改定値、0.1%増に上方修正 輸

ビジネス

独失業者数、11月は前月比1000人増 予想下回る
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:ガザの叫びを聞け
特集:ガザの叫びを聞け
2025年12月 2日号(11/26発売)

「天井なき監獄」を生きるパレスチナ自治区ガザの若者たちが世界に向けて発信した10年の記録

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで墜落事故、浮き彫りになるインド空軍の課題
  • 2
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙すぎた...「心配すべき?」と母親がネットで相談
  • 3
    【最先端戦闘機】ミラージュ、F16、グリペン、ラファール勢ぞろい ウクライナ空軍は戦闘機の「見本市」状態
  • 4
    100年以上宇宙最大の謎だった「ダークマター」の正体…
  • 5
    【寝耳に水】ヘンリー王子&メーガン妃が「大焦り」…
  • 6
    【クイズ】次のうち、マウスウォッシュと同じ効果の…
  • 7
    「攻めの一着すぎ?」 国歌パフォーマンスの「強めコ…
  • 8
    【クイズ】世界遺産が「最も多い国」はどこ?
  • 9
    がん患者の歯のX線画像に映った「真っ黒な空洞」...…
  • 10
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 1
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるようになる!筋トレよりもずっと効果的な「たった30秒の体操」〈注目記事〉
  • 2
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで墜落事故、浮き彫りになるインド空軍の課題
  • 3
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やってはいけない「3つの行動」とは?【国際研究チーム】
  • 4
    マムダニの次は「この男」?...イケメンすぎる「ケネ…
  • 5
    AIの浸透で「ブルーカラー」の賃金が上がり、「ホワ…
  • 6
    海外の空港でトイレに入った女性が見た、驚きの「ナ…
  • 7
    【最先端戦闘機】ミラージュ、F16、グリペン、ラファ…
  • 8
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 9
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベー…
  • 10
    老後資金は「ためる」より「使う」へ──50代からの後…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 6
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 7
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 10
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中