最新記事
事件

「英語で毛布と言えないなら渡せない」 乗客差別と批判受けキャセイ・パシフィックが乗務員3人解雇

2023年5月24日(水)19時29分
ロイター
キャセイ・パシフィック航空のロゴ

香港のキャセイ・パシフィック航空は、英語をうまく話せない乗客を乗務員が差別しているとの批判がインターネット上で巻き起こったことを受け、謝罪声明を発表した。写真は、同航空のロゴ。2023年3月8日に香港国際空港で撮影。(2023年 ロイター/Lam Yik)

香港のキャセイ・パシフィック航空は、英語をうまく話せない乗客を客室乗務員が差別したとインターネット上で批判されたことを受け、関係した乗務員3人を解雇したと発表した。

キャセイは、21日に四川省成都から香港に向かっていた便で乗客が体験したことが大きな懸念を引き起こしたとして謝罪した。

この便に搭乗していたある乗客の投稿によると、乗務員の1人が同僚との会話で、乗客が毛布を頼もうとして英語でカーペットと言ったことについて「英語で毛布と言えないなら渡せない」、「カーペットなら床にある」などと言ってからかった。この投稿がネット上に広がり、批判が巻き起った。

キャセイのロナルド・ラム最高経営責任者(CEO)は内部調査の結果、関係した乗務員3人を解雇したと明らかにし、同社は従業員による社内規定や倫理の重大違反は全く容認しない方針だと強調した。

香港の李家超(ジョン・リー)行政長官は24日、乗務員による深刻な差別だったとして繰り返してはならないと強調した。

中国共産党の機関紙、人民日報は電子版の論説記事で、標準中国語を話す乗客に起きたこの事件に衝撃を受けたとし、「外国人を崇拝し、香港市民を尊重する」一方で本土の中国人を見下すキャセイの企業文化を批判した。

「キャセイは毎回謝罪するだけではなく大幅な是正が必要で、ルールと規制を定め、不健全な傾向を根本から止める必要がある」と論じた。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2023トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


ビジネス
「個人的な欲望」から誕生した大人気店の秘密...平野紗季子が明かす「愛されるブランド」の作り方
あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

午後3時のドルは156円前半へ上昇、上値追いは限定

ビジネス

中国、25年の鉱工業生産を5.9%増と予想=国営テ

ワールド

中国、次期5カ年計画で銅・アルミナの生産能力抑制へ

ワールド

ミャンマー、総選挙第3段階は来年1月25日 国営メ
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 2
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 3
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指すのは、真田広之とは「別の道」【独占インタビュー】
  • 4
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 5
    「時代劇を頼む」と言われた...岡田准一が語る、侍た…
  • 6
    「衣装がしょぼすぎ...」ノーラン監督・最新作の予告…
  • 7
    「個人的な欲望」から誕生した大人気店の秘密...平野…
  • 8
    アベノミクス以降の日本経済は「異常」だった...10年…
  • 9
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足…
  • 10
    ノルウェーの海岸で金属探知機が掘り当てた、1200年…
  • 1
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 2
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 3
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツよりコンビニで買えるコレ
  • 4
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低…
  • 5
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 6
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 7
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足…
  • 8
    待望の『アバター』3作目は良作?駄作?...人気シリ…
  • 9
    懲役10年も覚悟?「中国BL」の裏にある「検閲との戦…
  • 10
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開した…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 4
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 5
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 6
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 7
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 8
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 9
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 10
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中