最新記事

事件

サッカー暴動で死者125人が出たインドネシア、ジョコ大統領がリーグ中断指示 

2022年10月3日(月)09時46分
サッカーのピッチに乱入する人々

インドネシア東ジャワ州で1日夜行われたサッカーの試合終了後に暴動が発生し、少なくとも174人が死亡、180人が負傷したと、当局が発表した。写真は動画から(2022年 ロイター/REUTERS TV)

インドネシア東ジャワ州で1日夜行われたサッカーの試合終了後に暴動が発生し、地元保健当局によると125人が死亡、323人が負傷した。

警察によると、敗れた地元マランのチームのサポーターがピッチに乱入したことから、事態を収拾しようとした警官が催涙ガスを発射。この騒動が暴動に発展し、逃げようとした人が圧死するなどしたという。

当初は174人が死亡したと発表されたが、その後訂正された。

警察トップは「無政府状態になった。警官が攻撃を受け、車両が破壊された」とし、ファンが脱出しようと出口に殺到したと説明した。

国際サッカー連盟(FIFA)の安全規則では、スチュワード(警備員)や警察は銃器や「群衆を整理するためのガス」を携帯・使用してはならないと定められている。

東ジャワ州警察は、この規則を認識していたかどうかに関するコメント要請に応じなかった。

映像によると、ホームチームのマランFCがペルセバヤ・スラバヤに2─3で敗戦後、午後10時ごろにファンがピッチになだれ込み、催涙ガスとみられるものが使用されて乱闘になった。意識を失ったような人たちが運ばれていく様子も見られた。

病院関係者は地元テレビに対し、脳に損傷を受けた人もいるほか、死者には5歳の子どもも含まれていると語った。

ジョコ大統領は、当局が警備体制を徹底的に調べる必要があるとし、調査が完了するまでサッカー1部リーグの全試合を停止するよう命じた。

FIFAのジャンニ・インファンティノ会長はロイターへの声明で、サッカー界は「インドネシアで起きた悲劇的な事件に衝撃を受けている」と述べた。

インドネシアサッカー協会当局者は記者団に対し、FIFAから事件の報告を要請されたとし、調査チームをマランに派遣したことを明らかにした。

インドネシアの人権委員会も、催涙ガスの使用を含むグラウンドの警備について調査する予定という。

2日には多くの人がスタジアム前に集まり、犠牲者に花をささげた。

マフッド治安担当相はインスタグラムへの投稿で、スタジアムの観客数が定員を超えていたと指摘。収容人数3万8000人のスタジアムで、約4万2000枚のチケットが売られていたと述べた。

インドネシアではこれまでも試合でのトラブルがあり、クラブ間の激しい対立がサポーターの暴力につながることもあった。

今回の事故は、1964年にリマで行われたペルー対アルゼンチン戦で発生した暴動と圧死で328人が死亡した惨事以来、最悪の規模とみられる。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2022トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トランプ氏、ロシア提案の新START延長を拒否 「

ビジネス

キリンHD、「フォアローゼズ」を米酒造に売却 最大

ビジネス

アマゾンの26年設備投資50%増へ、AI投資継続 

ビジネス

米ソフトウエア株の売り続く、AI懸念で時価総額1週
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプの帝国
特集:トランプの帝国
2026年2月10日号(2/ 3発売)

南北アメリカの完全支配を狙うトランプの戦略は中国を利し、世界の経済勢力図を完全に塗り替える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    グラフが示す「米国人のトランプ離れ」の実態...最新世論調査が示すトランプ政権への評価とは
  • 2
    米戦闘機、空母エイブラハム・リンカーンに接近したイラン製ドローンを撃墜
  • 3
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 4
    「右足全体が食われた」...突如ビーチに現れたサメが…
  • 5
    致死率は最大75%のニパウイルスが、世界規模で感染…
  • 6
    「反トランプの顔ぶれ」にMAGAが怒り心頭...グリーン…
  • 7
    ユキヒョウと自撮りの女性、顔をかまれ激しく襲われ…
  • 8
    エプスタインが政権中枢の情報をプーチンに流してい…
  • 9
    関税を振り回すトランプのオウンゴール...インドとEU…
  • 10
    「エプスタインは悪そのもの」「悪夢を見たほど」──…
  • 1
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 2
    日本への威圧を強める中国...「レアアース依存」から脱却する道筋
  • 3
    180万トンの「リチウムごみ」を資源に...EV電池の「副産物」で建設業界のあの問題を解決
  • 4
    致死率は最大75%のニパウイルスが、世界規模で感染…
  • 5
    ロシア軍の前線で「弾よけ」にされるアフリカ人...兵…
  • 6
    「出禁」も覚悟? ディズニーランドで緊急停止した乗…
  • 7
    グラフが示す「米国人のトランプ離れ」の実態...最新…
  • 8
    高市首相の発言は正しかった...「対中圧力」と「揺れ…
  • 9
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界…
  • 10
    米戦闘機、空母エイブラハム・リンカーンに接近した…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 3
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した──台湾高官が分析
  • 4
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 5
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 6
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 7
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 8
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
  • 9
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界…
  • 10
    【クイズ】韓国を抜いて1位に...世界で最も「出生率…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中