最新記事

中国社会

中国人の北朝鮮観光は止まらず 政府の規制を国境都市が緩和

2017年12月22日(金)17時16分


トランプ大統領の訪中

中国は、北朝鮮への旅行制限を公には発表しておらず、国連の調和を損なうものとして一方的な制裁には強く反対している。

だが、トランプ米大統領による初めての中国公式訪問を翌日に控えた11月7日、丹東市の観光局が市内の旅行業者に対し、平壌へのツアーを中止するよう指示したと、ロイターは伝えた。

北朝鮮のミサイル・核プログラムに対する制裁を完全履行することで同国に圧力をかけるため、協力関係にある中国の習近平国家主席について、トランプ大統領はしばしば称賛を送っている。

中朝国境にある人口80万人の中国北東部遼寧省丹東市は、主要な中国側貿易拠点であり、北朝鮮観光ツアー会社の大半が同市に存在する。国連制裁は今年、特に丹東経済を直撃した。

北朝鮮観光ツアーのほぼすべてが中止され、丹東に拠点を置いて伝統的に北朝鮮とビジネスをしてきた多くの企業が苦境に陥っていると、複数の関係筋がロイターに明かした。

「成功している中国人ビジネスマンの多くが休暇で旅行に出ている。今ここにいても、何もすることがないからだ」と、丹東の中国人ビジネスマンの1人は言う。

中国の対朝貿易はすでに、過去数カ月で最低水準にある。北朝鮮にミサイル・核プログラムを放棄させるための国連決議を厳しく実行していると、中国政府は繰り返し主張している。

北朝鮮は今年、ミサイル発射実験のペースを加速しており、11月28日に実施した最新の実験について、核弾頭を搭載して米全土を攻撃できる新型大陸間弾道ミサイルの発射実験だったとしている。

(翻訳:伊藤典子 編集:山口香子)

Sue-Lin Wong

[北京 20日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2017トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


ニューズウィーク日本版のおすすめ記事をLINEでチェック!

linecampaign.png

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

世界EV販売は年内1700万台に、石油需要はさらに

ビジネス

米3月新築住宅販売、8.8%増の69万3000戸 

ビジネス

円が対ユーロで16年ぶり安値、対ドルでも介入ライン

ワールド

米国は強力な加盟国、大統領選の結果問わず=NATO
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 2

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の「爆弾発言」が怖すぎる

  • 3

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親会社HYBEが監査、ミン・ヒジン代表の辞任を要求

  • 4

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 5

    「なんという爆発...」ウクライナの大規模ドローン攻…

  • 6

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 7

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 8

    ロシア、NATOとの大規模紛争に備えてフィンランド国…

  • 9

    イランのイスラエル攻撃でアラブ諸国がまさかのイス…

  • 10

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 3

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた「身体改造」の実態...出土した「遺骨」で初の発見

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 6

    「毛むくじゃら乳首ブラ」「縫った女性器パンツ」の…

  • 7

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 8

    ダイヤモンドバックスの試合中、自席の前を横切る子…

  • 9

    価値は疑わしくコストは膨大...偉大なるリニア計画っ…

  • 10

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

  • 10

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中