最新記事

日本政治

衆院解散、「自・公」対「希望(+民進)」の政権選択選挙の構図に

2017年9月28日(木)19時02分

9月28日、大島理森衆院議長は本会議で、日本国憲法第7条に基づき衆院を解散するとの詔書を読み上げた。これにより、衆院選が事実上、本格化する。写真は27日、自身が代表を務める国政政党「希望の党」設立記者会見での小池百合子都知事(2017年 ロイター/Issei Kato)

28日午後、衆院が解散され、与野党は10月22日投開票の衆院選を事実上スタートさせた。安倍晋三首相は自民党の両院議員総会で、「日本をどう守り抜くかを問う選挙」であると述べ、政権維持の必要性を訴えた。

一方、民進党は、希望者が希望の党公認で衆院選に立候補する方針を両院議員総会で承認。衆院選は、自民・公明の連立与党の継続か、小池百合子東京都知事が率いる希望の党中心の政権かを選択する構図になった。

政府は衆院解散後の臨時閣議で、10月10日公示、22日投開票の衆院選日程を正式に決定した。

その後、あわただしい動きを見せたのは民進党だった。同日午後の両院議員総会で前原誠司代表は、希望者は希望の党から立候補する方式を提案。政権交代を実現するために「名を捨てて実を取る決断に理解をいただきたい」と語った。その後、両院議員総会でこの方針が承認された。

希望の党の小池代表は同日午後の講演と質疑応答で、民進党との合流は考えていないと述べ、希望の党からの立候補は個人ベースで判断していく方針を強調。民進党議員の何割が希望の党から立候補できるのか、現時点では不透明だ。

だが、自民・公明の連立与党に対抗する野党の軸は、希望の党になることがはっきりし、自民・公明対希望の対決構図を中心に衆院選が展開される見通しとなった。

一方、自民党は解散後、国会内で両院議員総会を開き、衆院選での勝利を目指す方針を確認した。安倍首相は「日本をどう守りぬくかを問う選挙」と述べるとともに「北朝鮮の脅威に対し、国際社会と連携して対応する」方針をあらためて示した。

また、希望の党を念頭に「新党ブームは混乱と経済の低迷を招いた」と指摘し、「選挙のために看板をかけ替える政党には、子供たちの未来を任せられない」とし、安倍政権の安定が重要であると訴えていく姿勢を鮮明にした。

公明党の山口那津男代表もこの日の講演で「希望の党の内実は民進党、お面を変えただけに過ぎない」と批判。希望の党との対決色を強めた。


(梅川崇、伊藤純夫、竹本能文 編集:田巻一彦)

[東京 28日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2017トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ガザ住民のリビア移住計画、米大使館が報道内容を否定

ワールド

メキシコ海軍の訓練船、ブルックリン橋に衝突 2人死

ワールド

米最高裁、敵性外国人法での不法移民送還差し止め継続

ワールド

イスラエルとハマスが停戦交渉再開、ガザでは72時間
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:2029年 火星の旅
特集:2029年 火星の旅
2025年5月20日号(5/13発売)

トランプが「2029年の火星に到着」を宣言。アメリカが「赤い惑星」に自給自足型の都市を築く日

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【定年後の仕事】65歳以上の平均年収ランキング、ワースト2位は清掃員、ではワースト1位は?
  • 2
    日本はもう「ゼロパンダ」でいいんじゃない? 和歌山、上野...中国返還のその先
  • 3
    足の爪に発見した「異変」、実は「癌」だった...怪我との違い、危険なケースの見分け方とは?
  • 4
    「運動音痴の夫」を笑う面白動画のはずが...映像内に…
  • 5
    ワニの囲いに侵入した男性...「猛攻」を受け「絶叫」…
  • 6
    刺さった「トゲ」は放置しないで...2年後、女性の足…
  • 7
    中ロが触手を伸ばす米領アリューシャン列島で「次の…
  • 8
    MEGUMIが私財を投じて国際イベントを主催した訳...「…
  • 9
    飛行機内の客に「マナーを守れ!」と動画まで撮影し…
  • 10
    サメによる「攻撃」増加の原因は「インフルエンサー…
  • 1
    【定年後の仕事】65歳以上の平均年収ランキング、ワースト2位は清掃員、ではワースト1位は?
  • 2
    日本はもう「ゼロパンダ」でいいんじゃない? 和歌山、上野...中国返還のその先
  • 3
    ワニの囲いに侵入した男性...「猛攻」を受け「絶叫」する映像が拡散
  • 4
    カヤック中の女性がワニに襲われ死亡...現場動画に映…
  • 5
    母「iPhone買ったの!」→娘が見た「違和感の正体」に…
  • 6
    あなたの下駄箱にも? 「高額転売」されている「一見…
  • 7
    トランプ「薬価引き下げ」大統領令でも、なぜか製薬…
  • 8
    ヤクザ専門ライターが50代でピアノを始めた結果...習…
  • 9
    「運動音痴の夫」を笑う面白動画のはずが...映像内に…
  • 10
    宇宙の「禁断領域」で奇跡的に生き残った「極寒惑星…
  • 1
    【定年後の仕事】65歳以上の平均年収ランキング、ワースト2位は清掃員、ではワースト1位は?
  • 2
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 3
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 4
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの…
  • 5
    日本はもう「ゼロパンダ」でいいんじゃない? 和歌山…
  • 6
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得…
  • 7
    【クイズ】世界で2番目に「軍事費」が高い国は?...1…
  • 8
    部下に助言した時、返事が「分かりました」なら失敗…
  • 9
    「生はちみつ」と「純粋はちみつ」は何が違うのか?.…
  • 10
    5月の満月が「フラワームーン」と呼ばれる理由とは?
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中