最新記事

米太平洋艦隊

「トランプ大統領が命令すれば、米軍は中国を核攻撃する」米太平洋艦隊司令官

2017年7月28日(金)15時20分
コナー・ギャフィー

最高司令官への忠誠を示したスウィフト司令官(写真は2015年) David Gray-REUTERS

<米海軍太平洋艦隊の司令官が「中国核攻撃」発言。誰が大統領でも米軍の忠誠は揺るがないという意図だったようだが>

心と体の性が一致しないトランスジェンダーの米軍に入隊は認めないと、ドナルド・トランプ大統領がツイートで発言したことに対して、ベトナム戦争で捕虜経験があるジョン・マケイン上院議員ら著名な退役軍人からトランプへの批判が相次いでいる。

しかし直後の7月27日、米海軍太平洋艦隊司令官のスコット・スウィフト大将は米軍最高司令官である大統領への忠誠を示した。オーストラリア国立大学の安全保障会議でスウィフトは、大統領の命令なら中国に核ミサイルを撃つことも辞さない、と語ったのだ。

【参考記事】米中戦争の可能性は低くない──攻撃に強く守りに弱い軍が先制攻撃を招く

実際にそのような命令が下ったとは言っていないが、大統領が誰であっても米軍の忠誠心は揺るがないことを強調する意図で発言したものと見られる。

「米軍のメンバーは全員がアメリカ憲法の遵守を宣誓している。外国や国内のすべての敵に対して、上官そして最高司令官である大統領の命令に従う」

さらにスウィフトは、大統領は国民から選任されたのだから、大統領への忠誠は米軍の文民統制(シビリアン・コントロール)を維持するうえで重要な原則だと述べた。「これはアメリカの民主主義の中核を成すもので、軍隊がこの原則から離れて文民統制への忠誠を見失えば、大変な問題になる」

【参考記事】人工島の軍事拠点化ほぼ完成--南シナ海、米中衝突のシナリオ

米海軍太平洋艦隊のチャーリー・ブラウン報道官はその後、スウィフトが回答した質問の前提が「馬鹿げている」と語った。

仮にも「中国」が出てくる理由

太平洋艦隊は、約200隻の軍艦と潜水艦、軍用航空機1100機、13万人以上の軍人が所属し、アメリカ西海岸からインド洋にかけての広大な海域を担当している。

また太平洋艦隊は、北朝鮮に対する防衛ラインの最前線でもある。北朝鮮はアメリカ本土を標的として核ミサイル攻撃を行うと宣言しているが、アメリカと北朝鮮の間の緊張が高まるなかで、今年6月には米海軍の空母打撃群と日本の自衛隊艦艇による共同訓練が実施された。

【参考記事】南シナ海、米中戦争を起こさず中国を封じ込める法

トランプと中国の習近平(シー・チンピン)国家主席は今年4月にトランプが所有するフロリダ州のゴルフリゾートで友好的に会談したが、その後両国関係は悪化。トランプは、北朝鮮の核問題に関して介入に及び腰な中国に対し不満を募らせている。

7月4日に北朝鮮は初の大陸間弾道ミサイル(ICBM)の実験を実施。5日のツイートでトランプは、中国と北朝鮮の間の貿易は今年1~3月期に増大していると指摘し、中国政府の対応に失望したと示唆していた。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

ispace、開発遅れでエンジン変更 日米の月着陸

ビジネス

中国の銀行株が上昇、銀行株保有規制の緩和検討と報道

ビジネス

三菱電、ローム・東芝の半導体事業の統合に向け協議開

ワールド

UAE、ホルムズ海峡防衛へ多国籍部隊の創設働きかけ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:BTS再始動
特集:BTS再始動
2026年3月31日号(3/24発売)

3年9カ月の空白を経て完全体でカムバック。世界が注目する「BTS2.0」の幕開け

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ヘンリー・メーガン夫妻の豪州訪問に3万6000人超の反対署名...「歓迎してない」の声広がる
  • 2
    作者が「投げ出した」? 『チェンソーマン』の最終回に世界中から批判殺到【ネタバレ注意】
  • 3
    中国最大の海運会社COSCOがペルシャ湾輸送を再開──緊張緩和の兆しか
  • 4
    「俺たちはただの人間だ」――BTSが新アルバム『ARIRAN…
  • 5
    親の遺産はもう当てにできない? ベビーブーム世代…
  • 6
    まずサイバー軍が防空網をたたく
  • 7
    意外と「プリンス枠」が空いていて...山崎育三郎が「…
  • 8
    デンマーク王妃「帰郷」に沸騰...豪州訪問で浮かび上…
  • 9
    「予想よりも酷い...」ドラマ版『ハリー・ポッター』…
  • 10
    実は「ミュージカルはポリティカル」?...社会の闇を…
  • 1
    メーガン妃、娘リリベット王女との「お手伝い姿」公開...母としての素顔に反響
  • 2
    【銘柄】「三菱商事」の株価に高まる期待...ホルムズ海峡封鎖と資源価格高騰が業績を押し上げ
  • 3
    「マツダ・日産・スバル」が大ピンチ?...オーストラリアの「NVES規制」をトヨタが切り抜けられた理由
  • 4
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 5
    レストラン店内で配膳ロボットが「制御不能」に...店…
  • 6
    三笠宮彬子さまも出席...「銀河の夢か、現実逃避か」…
  • 7
    ヘンリー・メーガン夫妻の豪州訪問に3万6000人超の反…
  • 8
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する…
  • 9
    中国の公衆衛生レベルはアメリカ並み...「ほぼ国民皆…
  • 10
    イランは空爆により核・ミサイル製造能力を「喪失」…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 4
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 5
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 6
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 7
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 8
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 9
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
  • 10
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中