最新記事

ミサイル実験

北朝鮮、ICBM発射実験に成功と発表 米アラスカに届く可能性も

2017年7月4日(火)19時59分

6月4日、北朝鮮国営テレビは、同国が金正恩朝鮮労働党委員長の指揮の下、大陸間弾道ミサイル(ICBM)の実験に成功し、世界中どこでも到達できるミサイル技術を獲得したと報じた。写真はソウルでニュース映像を眺める男性(2017年 ロイター/Kim Hong-Ji)

北朝鮮は4日午後、国営放送を通じ、大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射実験に成功したと発表した。専門家は、通常の角度で発射すれば米アラスカ州に届く可能性があると指摘。日本や米国など関係各国は、ICBMだったかどうか慎重に分析する。

射程8000キロ以上との見方も

北朝鮮は午前9時39分ごろ、同国西岸から1発の弾道ミサイルを発射。午後3時半、ICBMの発射実験に成功したと発表した。高度は2802キロに達し、39分間、933キロの距離を飛んだとしている。周辺国への影響を避けるため、意図的に高い角度をつけて撃ったと主張するとともに、世界各地を攻撃できるとも強調した。

米科学者団体「憂慮する科学者同盟」のデービッド・ライト氏は自身のブログで、通常の角度で発射すれば約6700キロ飛んだと可能性があると指摘。「アラスカ州には届く」とした。韓国の慶南大学極東問題研究所のKim Dong-yub氏は、通常に飛ばせば8000キロ以上の射程があるとする一方、さらに技術的な検証が必要との認識を示す。

北朝鮮の発表を受け、関係各国は収集した情報の解析を急ぐ。日本の防衛省幹部は「ICBMとしての能力を発揮するには、大気圏への再突入を含め、さまざまな技術がそろった兵器体系である必要がある」とした上で、「(昨年1月に実験した)原爆を水爆と言った国なので、慎重な分析が必要だと思っている」と話す。

米軍は発射後まもなく、ICBMではなく中距離弾だったとの初期分析を発表していた。北朝鮮の発表前に記者団の取材に応じた日本の稲田朋美防衛相も、2000キロ超の高度に達し、30分間飛行した5月14日の新型中距離弾か、その派生型との認識を示していた。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

アングル:軽飛行機で中国軍艦のデータ収集、台湾企業

ワールド

トランプ氏、加・メキシコ首脳と貿易巡り会談 W杯抽

ワールド

プーチン氏と米特使の会談「真に友好的」=ロシア大統

ビジネス

ネットフリックス、ワーナー資産買収で合意 720億
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:日本時代劇の挑戦
特集:日本時代劇の挑戦
2025年12月 9日号(12/ 2発売)

『七人の侍』『座頭市』『SHOGUN』......世界が愛した名作とメイド・イン・ジャパンの新時代劇『イクサガミ』の大志

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」が追いつかなくなっている状態とは?
  • 2
    【クイズ】アルコール依存症の人の割合が「最も高い国」はどこ?
  • 3
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺るがす「ブラックウィドウ」とは?
  • 4
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 5
    左手にゴルフクラブを握ったまま、茂みに向かって...…
  • 6
    「ボタン閉めろ...」元モデルの「密着レギンス×前開…
  • 7
    主食は「放射能」...チェルノブイリ原発事故現場の立…
  • 8
    『羅生門』『七人の侍』『用心棒』――黒澤明はどれだ…
  • 9
    戦争中に青年期を過ごした世代の男性は、終戦時56%…
  • 10
    イスラエル軍幹部が人生を賭けた内部告発...沈黙させ…
  • 1
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 2
    100年以上宇宙最大の謎だった「ダークマター」の正体を東大教授が解明? 「人類が見るのは初めて」
  • 3
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」が追いつかなくなっている状態とは?
  • 4
    戦争中に青年期を過ごした世代の男性は、終戦時56%…
  • 5
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙す…
  • 6
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
  • 7
    イスラエル軍幹部が人生を賭けた内部告発...沈黙させ…
  • 8
    【クイズ】アルコール依存症の人の割合が「最も高い…
  • 9
    【銘柄】関電工、きんでんが上昇トレンド一直線...業…
  • 10
    人生の忙しさの9割はムダ...ひろゆきが語る「休む勇…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 4
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 7
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 8
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 9
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 10
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やって…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中