最新記事

テロ

厳戒態勢のなかアリアナが慈善公演「マンチェスターは屈しない」

2017年6月5日(月)16時00分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

会場は5万人の観客で埋め尽くされた Danny Lawson/One Love Manchester/REUTERS

<先月マンチェスターのコンサートで自爆テロ攻撃を受けたアリアナ・グランデが慈善コンサートを開催。ロンドンテロ直後の厳戒態勢のなか、テロに屈しない結束を世界に呼び掛けた>

イギリス・マンチェスターで先月のコンサート中に発生した自爆テロ事件を乗り越え、今週4日、歌手アリアナ・グランデが慈善コンサートを開催した。販売された3万5000枚のチケットはわずか6分で完売したと報じられている。

同日には、アリアナのコンサート会場から約800メートル離れたサッカー場でマンチェスター・ユナイテッドのチャリティーマッチも開催され、2つのイベントで合わせて11万5000人の観客が見込まれていた。

nc170605-ariana03.jpg

前回テロ攻撃を受けたコンサートの観客が会場に招待された Dave Hogan/One Love Manchester/REUTERS

前日3日夜にはロンドン中心部のロンドン橋などでテロ組織ISIS(自称イスラム国)傘下のメンバーによるものと見られるテロが発生し、少なくとも7人が死亡。テロへの不安が拭いきれないなかでコンサートは開催された。

ファンの間では開催を危ぶむ声が上がっていた。これに対してアリアナのマネジャーのスクーター・ブラウンは当日朝のツイッタ―で「コンサートはマンチェスターと世界が憎しみと恐れに屈しないことを宣言する意味がある」というメッセージを投稿。コンサート開催に向けた強い意志を示した。

ロンドンテロの直後に公演開催の意志を明らかにしたマネジャーのスクーター・ブラウンのツイート

亡くなった少女のために内容を変更

先月に自爆テロを受けた公演の観客があらためて招待され、収容人数5万人の会場は観客で埋め尽くされた。ステージに登場したアリアナは、「来てくれて本当にありがとう。とても幸せ、ファンと一つになれたことに感謝したい」と語った。

nc170605-ariana02.jpg

慈善公演で歌うアリアナ(写真左)とマイリー・サイラス Dave Hogan/One Love Manchester/REUTERS

コンサート内容は当初予定されていたものから直前に変更された。アリアナは先月の自爆テロの犠牲となったファンの少女オリビア・キャンベル(15)の母親を先週慰問し、「娘はヒット曲を聞きたかったはず」と聞かされて、開催直前に急遽曲目を変更したエピソードをステージ上で紹介。自身を代表するヒット曲を多数、歌い上げた。

ロンドン市内の病院に入院するファンを見舞うアリアナ

会えないファンとはビデオ通話

マンチェスター警察は、同日開催された2つのイベントのテロ警戒のために「マンチェスター警察と国内の他の警察から相当規模の警察官を投入」して警備にあたった。バッグなどの手荷物検査は通常よりも厳重に実施された他、イベントに参加する観客らは事前にバッグなどを持って行かないように指示されていた。

コンサートには、アリアナの他、ケイティ・ペリー、ジャスティン・ビーバー、コールドプレイ、ファレル・ウィリアムズなど著名アーティストが多数参加。このうち歌手のファレル・ウィリアムズはステージ上で、「いろいろなことが起きているけれど、この会場では何も恐れを感じない」と観客に語りかけた。

コンサートの様子はフェイスブックでもライブ配信された。

nc170605-ariana04.jpg

会場周辺は武装警官がテロ警戒にあたった Phil Noble-REUTERS

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

英アンドルー元王子を逮捕 エプスタイン氏巡る不正行

ビジネス

ラガルドECB総裁、職務に専念と同僚らに伝達 即時

ビジネス

アイルランドの法人税収、多国籍企業3社が約半分占め

ワールド

トルコの和平工程表承認、PKK関係者が「重要な一歩
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ウクライナ戦争4年 苦境のロシア
特集:ウクライナ戦争4年 苦境のロシア
2026年2月24日号(2/17発売)

帰還兵の暴力、ドローンの攻撃、止まらないインフレ。国民は疲弊しプーチンの足元も揺らぐ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より日本の「100%就職率」を選ぶ若者たち
  • 2
    ポーランドが「核武装」に意欲、NATO諸国も米国の核の傘を信用できず
  • 3
    中道「大敗北」、最大の原因は「高市ブーム」ではなかった...繰り返される、米民主党と同じ過ち
  • 4
    ウクライナ戦争が180度変えた「軍事戦略」の在り方..…
  • 5
    完全に「ホクロ」かと...医師も見逃した「皮膚がん」…
  • 6
    IMF、日本政府に消費減税を避けるよう要請...「財政…
  • 7
    「ヒンメルならそうした」...コスプレイヤーが消火活…
  • 8
    生き返ったワグネルの「影」、NATO内部に浸透か
  • 9
    川崎が「次世代都市モデルの世界的ベンチマーク」に─…
  • 10
    なぜ「あと1レップ」が筋肉を壊すのか...「高速パワ…
  • 1
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 2
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 3
    「罠に嵌められた」と主張するが...欧州で次々と摘発される中国のスパイ、今度はギリシャで御用
  • 4
    【銘柄】マイクロソフトの株価が暴落...「AI懸念」で…
  • 5
    「ヒンメルならそうした」...コスプレイヤーが消火活…
  • 6
    なぜ「あと1レップ」が筋肉を壊すのか...「高速パワ…
  • 7
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 8
    「目のやり場に困る...」アカデミー会場を席巻したス…
  • 9
    オートミール中心の食事がメタボ解消の特効薬に
  • 10
    川崎が「次世代都市モデルの世界的ベンチマーク」に─…
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 3
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 4
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 5
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 6
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 7
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 8
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 9
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 10
    「罠に嵌められた」と主張するが...欧州で次々と摘発…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中