最新記事

航空会社

ユナイテッド航空だけじゃない、サイテーの航空会社

2017年4月18日(火)15時31分
グレッグ・プライス

乗客引きずり出し事件で評判を落としたユナイテッド航空 Louis Nastro-REUTERS

<オーバーブッキングのユナイテッド航空機で起きた乗客引きずり出し事件で明らかになった客に対する傲慢さ。だが、航空業界ではこのぐらい日常茶飯事>

鼻は骨折して血まみれ、歯は2本折れて脳震盪を起こした客の様子を映した動画が拡散――4月10日、飛行機から乗客のデイビッド・ダオを引きずり降ろした米ユナイテッド航空は、世界最低の航空会社として知られるようになってしまった。

【参考記事】オーバーブッキングのユナイテッド航空機、乗客引きずり出しの一部始終

同社は謝罪文を発表し、今後は搭乗済みの乗客は降ろさないと約束した。ところが4月15日、ユナイテッド航空を利用した婚約中のカップルが、力ずくではないにせよ、飛行機から降ろされたことがわかった。テキサス州ヒューストンからコスタリカに飛び結婚式を挙げようとしていたこのカップルが降ろされた理由は、自分たちが購入した座席よりグレードの高い座席に座っていたから。

【参考記事】ユナイテッド航空「炎上」、その後わかった5つのこと

「機はガラガラだったのに」

カップルによれば、その便は半分ほどしか席が埋まっておらず、割り当てられていた席に戻ろうとしたのに飛行機を降りるように言われたという(ユナイテッド航空側は、カップルがクルーの指示に従わず何度もいい座席に座ろうとしたと言っている)。

こうした出来事が重なった結果、ユナイテッド航空の評判は地に落ち、嘲笑を浴びている。だが、最低の航空会社はユナイテッド航空だけではない。ぞっとするエピソードを紹介しよう。

■ジェットエアウェイズ

航空会社を選ぶ時に、必要最低限の設備として、空調を考慮することはあまりない。当然ついているものだからだ。

しかし、4月14日にインドのムンバイから中部ボパールに向かったジェットエアウェイズの場合は別だった。空調が故障し、一部から窒息するという抗議が出たため、出発直前になって離陸を中止せざるをえなくなった。ジェットエアウェイズは、ムンバイを拠点とするインドで2番目に大きい航空会社だ。

■スパイスジェット

インドの大手航空会社の1つ、スパイスジェットは4月16日、多くの乗客を震え上がらせた。着陸時に、パイロットが何の予告もなくタッチダウン直前で着陸を断念して再浮上したのだ。2回目で無事に着陸したものの、大きな揺れを感じた。機長からも他のクルーからも、何があったのか説明はなかった。

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

プーチン氏、和平案「合意の基礎に」 ウ軍撤退なけれ

ワールド

ウクライナ、和平合意後も軍隊と安全保障の「保証」必

ビジネス

欧州外為市場=ドル週間で4カ月ぶり大幅安へ、米利下

ビジネス

ECB、利下げ急がず 緩和終了との主張も=10月理
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ガザの叫びを聞け
特集:ガザの叫びを聞け
2025年12月 2日号(11/26発売)

「天井なき監獄」を生きるパレスチナ自治区ガザの若者たちが世界に向けて発信した10年の記録

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで墜落事故、浮き彫りになるインド空軍の課題
  • 2
    【最先端戦闘機】ミラージュ、F16、グリペン、ラファール勢ぞろい ウクライナ空軍は戦闘機の「見本市」状態
  • 3
    【クイズ】次のうち、マウスウォッシュと同じ効果のある「食べ物」はどれ?
  • 4
    【寝耳に水】ヘンリー王子&メーガン妃が「大焦り」…
  • 5
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 6
    がん患者の歯のX線画像に映った「真っ黒な空洞」...…
  • 7
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙す…
  • 8
    7歳の娘の「スマホの検索履歴」で見つかった「衝撃の…
  • 9
    ウクライナ降伏にも等しい「28項目の和平案」の裏に…
  • 10
    ミッキーマウスの著作権は切れている...それでも企業…
  • 1
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるようになる!筋トレよりもずっと効果的な「たった30秒の体操」〈注目記事〉
  • 2
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで墜落事故、浮き彫りになるインド空軍の課題
  • 3
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やってはいけない「3つの行動」とは?【国際研究チーム】
  • 4
    マムダニの次は「この男」?...イケメンすぎる「ケネ…
  • 5
    AIの浸透で「ブルーカラー」の賃金が上がり、「ホワ…
  • 6
    海外の空港でトイレに入った女性が見た、驚きの「ナ…
  • 7
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 8
    【最先端戦闘機】ミラージュ、F16、グリペン、ラファ…
  • 9
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベー…
  • 10
    老後資金は「ためる」より「使う」へ──50代からの後…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 6
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 7
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 10
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中