最新記事

米航空会社

ユナイテッド航空「炎上」、その後わかった5つのこと

2017年4月12日(水)19時20分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部 

ユナイテッド航空のオスカー・ムニョスCEO Lucas Jackson-REUTERS

<ユナイテッド航空の株価は下がり、過去の「約束」が明るみに出され、ライバル社に揶揄され......。謝罪声明を出しても、まだ終わりそうにない危機>

米ユナイテッド航空で4月9日に起こった「事件」の火は、いまだ消える気配がない。

場所はシカゴのオヘア空港。ケンタッキー州ルイビルへ向けて出発予定のユナイテッド航空3411便の機内で、乗客が座席から暴力的に引きずり出された様子がソーシャルメディアに投稿され、瞬く間に拡散していった。

【参考記事】オーバーブッキングのユナイテッド航空機、乗客引きずり出しの一部始終

同社はその後、2度にわたって謝罪声明を出したが、それでも鎮火とならず、いまも火力は増しているようだ。その後に起こったこと、わかったことを整理する。

株価急落、一時は10億ドルを失った

炎上を受け、持ち株会社であるユナイテッド・コンチネンタル・ホールディングスの株価は11日、4%急落した。企業価値10億ドル以上に相当する額だ。終値は前日比1%安で収まったが、フォーチュンによれば、大株主であるウォーレン・バフェットはこれで2400万ドルを失っている。

ただし、世界屈指の投資家であるバフェットは、ライバル社のアメリカン航空やデルタ航空などの株も所有しており、それらは値上がりしたため、トータルでは1億400万ドルの利益を得たと、同誌は計算する。

「乗客全員に座席を保証する」と約束していた

遡ること3年前、ユナイテッド航空は規制当局にこんな約束をしていた――航空券を購入した乗客は全員、座席を保証される。

2014年9月のことだ。IBTの報道によれば、当時、航空会社が乗客に課す各種手数料をもっと開示せよという提議がなされており、ユナイテッド航空は反対を表明する意見書を米運輸局に提出。その中で、「航空券を購入したすべての乗客は追加料金なしで座席を割り当てられる」から、座席割り当ての手数料を開示するルールは必要ないとしていた。

実際には座席が保証されていなかったことが今回、明白になった。

強制的な搭乗取り消しは年間4万人もいた

オーバーブッキングが決して珍しいものでないことは、統計からも明らかだ。

米運輸局のレポートによれば、昨年アメリカで予約していた航空便を取り消された人は50万人近くに上るが、そのうち強制的に(非自主的に)取り消されたのは約4万600人。昨年の米航空会社の全乗客数は約6億6000万人なので、強制的なケースは1万人あたり1人未満(0.62人)という計算になる。

ワシントン・ポストの調べでは、ユナイテッド航空の取り消し数は他社と比べて特段に多いわけではない。昨年、約6万300人が同社の航空便取り消しに遭い、うち3765人は強制的なケースだった。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トランプ氏、薬品割引サイト「トランプRx」を5日発

ビジネス

英中銀総裁、3月利下げ確率予想「50対50は悪くな

ワールド

米ロ・ウクライナ三者協議、合計314人の捕虜交換で

ワールド

スペースXへの中国資本関与巡る調査要請 米上院議員
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプの帝国
特集:トランプの帝国
2026年2月10日号(2/ 3発売)

南北アメリカの完全支配を狙うトランプの戦略は中国を利し、世界の経済勢力図を完全に塗り替える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    グラフが示す「米国人のトランプ離れ」の実態...最新世論調査が示すトランプ政権への評価とは
  • 2
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 3
    米戦闘機、空母エイブラハム・リンカーンに接近したイラン製ドローンを撃墜
  • 4
    致死率は最大75%のニパウイルスが、世界規模で感染…
  • 5
    「右足全体が食われた」...突如ビーチに現れたサメが…
  • 6
    ユキヒョウと自撮りの女性、顔をかまれ激しく襲われ…
  • 7
    「反トランプの顔ぶれ」にMAGAが怒り心頭...グリーン…
  • 8
    関税を振り回すトランプのオウンゴール...インドとEU…
  • 9
    習近平の軍幹部めった斬りがもたらすこと
  • 10
    日本経済低迷の主因である「空洞化」をなぜ総選挙で…
  • 1
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 2
    日本への威圧を強める中国...「レアアース依存」から脱却する道筋
  • 3
    180万トンの「リチウムごみ」を資源に...EV電池の「副産物」で建設業界のあの問題を解決
  • 4
    致死率は最大75%のニパウイルスが、世界規模で感染…
  • 5
    ロシア軍の前線で「弾よけ」にされるアフリカ人...兵…
  • 6
    「出禁」も覚悟? ディズニーランドで緊急停止した乗…
  • 7
    グラフが示す「米国人のトランプ離れ」の実態...最新…
  • 8
    高市首相の発言は正しかった...「対中圧力」と「揺れ…
  • 9
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界…
  • 10
    日本はすでに世界有数の移民受け入れ国...実は開放的…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 3
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した──台湾高官が分析
  • 4
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 5
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 6
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 7
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 8
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
  • 9
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界…
  • 10
    【クイズ】韓国を抜いて1位に...世界で最も「出生率…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中