最新記事

北朝鮮

北朝鮮、ミサイル発射するも失敗 打ち上げ直後に空中爆発か

2017年3月22日(水)12時46分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

写真は北朝鮮が6日施行した4発の弾道ミサイル発射訓練のようす (c)로동신문

<北朝鮮が16日ぶりにミサイル発射実験を行ったが、打ち上げ直後に失敗に終わった。だが、来月には金日成の生誕105周年と軍創設85周年を控えており、今後も北朝鮮のミサイル発射は続くものと見られる>


北朝鮮が午前7時ごろにミサイルを発射したが失敗に終わった。

韓国メディア東亜日報などによると、韓国国防部は「北朝鮮が22日午前、江原道元山の飛行場一帯でミサイル1発を発射したが失敗したと推測される」と明らかにした。

さらに「韓国と米国は関連する内容について認識している。ミサイルの種類などその他、詳細については現在確認中だ。韓国軍は北朝鮮のミサイル追加発射などの可能性に備えている」と述べた。

軍当局は、「北朝鮮のミサイル発射状況は、米国の偵察衛星に捕捉され、韓米の情報当局がリアルタイムで検出した。北朝鮮は移動式発射車両(TEL)で、弾道ミサイル1発を発射した。だがミサイルは発射直後、レーダーから消えた。発射直後に推進機関に異常が発生し、空中爆発したとみられる」と明かした。

北朝鮮は今回ミサイルを発射した元山一帯で昨年ムスダン型中距離ミサイル(IRBM)を8回も発射し、7回も失敗したことがあるため、今回もムスダンミサイルの発射実験をした可能性があるとみられる。 また、新型固体エンジンを搭載した短距離ミサイルの試験発射を試みた可能性もある。

北朝鮮は今月6日にも平安北道東倉里から日本海に向けて弾道ミサイル4発を発射しており、このうち3発は1,000kmあまりを飛んで日本の排他的経済水域(EEZ)に到達していた。

来月に向けさらなるミサイル発射の可能性

韓国メディア聯合ニュースによると、北朝鮮の今回のミサイル発射は、韓国軍と駐韓米軍が進行中の大規模合同軍事訓練に対する反発とみられる。指揮系統の訓練であるキー・リゾルブは24日まで、実技合同訓練であるキー・イーグルは来月末まで続く。また、先週韓国を訪問したティラーソン米国務長官が「軍事的手段も含む、様々な方法で北朝鮮に対する圧力を高める」と明らかにしたことに対する反発という観測も出ている。

韓国軍当局は、北朝鮮が来月15日、金日成の生誕105周年と軍創設85周年を控え、さらなる挑発をする可能性があると見て、北朝鮮の動向を注視している。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

NY市長選でマムダニ氏勝利予測、34歳の民主候補 

ビジネス

利上げの条件そろいつつあるが、米経済下振れに警戒感

ビジネス

仏検察、中国系オンライン通販各社を捜査 性玩具販売

ワールド

ロシア石油大手ルクオイル、西側の制裁で海外事業に支
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 2
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 3
    「あなたが着ている制服を...」 乗客が客室乗務員に「非常識すぎる」要求...CAが取った行動が話題に
  • 4
    「日本のあの観光地」が世界2位...エクスペディア「…
  • 5
    これをすれば「安定した子供」に育つ?...児童心理学…
  • 6
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 7
    虹に「極限まで近づく」とどう見える?...小型機パイ…
  • 8
    「白人に見えない」と言われ続けた白人女性...外見と…
  • 9
    高市首相に注がれる冷たい視線...昔ながらのタカ派で…
  • 10
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読み方は?
  • 3
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 4
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 5
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 6
    9歳女児が行方不明...失踪直前、防犯カメラに映った…
  • 7
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 8
    女性の後を毎晩つけてくるストーカー...1週間後、雨…
  • 9
    「日本のあの観光地」が世界2位...エクスペディア「…
  • 10
    だまされやすい詐欺メールTOP3を専門家が解説
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 5
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 6
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 7
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 8
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 9
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 10
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中