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内戦

南スーダンは大量虐殺前夜

2016年12月13日(火)11時00分
コラム・リンチ

 最近、南スーダンを訪問したスイスの銃器調査NGO、スモール・アームズ・サーベイのアラン・ボズウェルも、中央エクアトリア州から逃げてきた人々の悲痛な声を聞いた。「反政府勢力が入ってきた」村落を、ディンカ族の民兵が手当たり次第に破壊しているというのだ。

「この内戦の特徴は民族浄化だ」とボズウェルは語る。「村落は略奪され、住民は追い立てられ、民族を理由に殺される」

 CEPOのヤカニは、地方の村落では戦闘のせいで住民は農場に働きに出ることさえままならず、「人道的な状況は日々悪化している」と語る。武装集団による強盗の増加など、治安も目に見えて悪化しているという。

 住民たちが何より恐れているのは「大規模な軍事衝突だ」と語る。それだけにヤカニは、武器禁輸決議に望みを託す。たとえ手遅れでも、長期的には武力抗争の規模を縮小できるかもしれない、と。

From Foreign Policy Magazine

[2016年12月13日号掲載]

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