最新記事

自動車

ホンダが燃料電池車を発売、約750キロ走行で年内に欧米でも展開

「究極のエコカー」をトヨタに続いて販売、今後、同じ車台でEVやPHVを展開

2016年3月13日(日)13時30分

3月10日、ホンダは、水素で走る5人乗り燃料電池車(FCV)「クラリティ・フューエル・セル」を発売した。当面はリースでの販売で、まずは自治体や企業向け、早ければ1年後にも一般向けに売り出す予定。初年度の国内販売目標は200台。年内中に欧米でも販売する。水素満タン時の走行距離は約750キロを達成した。写真は都内で1月撮影(2016年 ロイター/Yuya Shino)

 ホンダ<7267.T>は10日、水素で走る5人乗り燃料電池車(FCV)「クラリティ・フューエル・セル」を発売した。当面はリースでの販売で、まずは自治体や企業向け、早ければ1年後にも一般向けに売り出す予定。初年度の国内販売目標は200台。年内中に欧米でも販売する。水素満タン時の走行距離は約750キロを達成した。

 八郷隆弘社長は同日の発表会で、FCVは「ガソリン車に置き換わるモビリティーとして有望。気候変動に関わる課題にも応えることができる」と述べた。また、まだ決まっていないが、FCVの「いろいろな車種への展開を考えていきたい」とも語った。

 クラリティのプラットフォーム(車台)は今後、展開する電気自動車(EV)やプラグイン・ハイブリッド車(PHV)などの環境対応車でも活用できる。18年までに北米へ投入するPHVも同じ車台を採用する予定。

 FCVの本格的な市販については、トヨタ自動車<7203.T>が先行しており、14年12月に4人乗りの「MIRAI(ミライ)」を723万6000円で発売。クラリティの参考価格は766万円で、約40万円高い。1回の水素充填での走行距離は、ミライが約650キロなのに対し、クラリティは約100キロ伸ばした。

 まだ生産コストの高いFCVだが、ホンダは20年ごろの実用化に向けて米ゼネラル・モーターズと次世代燃料電池システムを共同開発中で、八郷社長は量産や部品調達をどう図るかなど「次のステップに入っている」と話した。

 また、ホンダはFCV関連の特許を4000件ほど持つといい、清水潔・開発責任者は特許の無償供与について「個別で協議しながら検討する。まったく拒むつもりはない」と述べた。トヨタはFCV関連特許を無償開放している。

 FCVは走行時に二酸化炭素(CO2)を出さないことから「究極のエコカー」とも呼ばれる。ただ、水素製造時にはCO2が出るとの指摘もあるほか、約4―5億円と高額な費用がかかる水素ステーションの設置がまだ十分に進んでいないなど普及に向けた課題がある。

 (白木真紀)

[東京 10日 ロイター]

120x28 Reuters.gif
Copyright (C) 2016トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

高市首相、応援演説で円安メリットに言及 米関税のバ

ワールド

米政府機関の一部が閉鎖、短期間の公算 予算案の下院

ビジネス

中国1月製造業PMIが50割れ、非製造業は22年1

ワールド

トランプ氏、労働統計局長にベテランエコノミスト指名
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:高市 vs 中国
特集:高市 vs 中国
2026年2月 3日号(1/27発売)

台湾発言に手を緩めない習近平と静観のトランプ。激動の東アジアを生き抜く日本の戦略とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    180万トンの「リチウムごみ」を資源に...EV電池の「副産物」で建設業界のあの問題を解決
  • 2
    ロシア軍の前線で「弾よけ」にされるアフリカ人...兵士供給に悩むロシアが行う「外道行為」の実態
  • 3
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界でも過去最大規模
  • 4
    日本はすでに世界第4位の移民受け入れ国...実は開放…
  • 5
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパ…
  • 6
    麻薬中毒が「アメリカ文化」...グリーンランド人が投…
  • 7
    日本経済を中国市場から切り離すべきなのか
  • 8
    秋田県は生徒の学力が全国トップクラスなのに、1キロ…
  • 9
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 10
    「外国人価格」で日本社会が失うもの──インバウンド…
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」と「フリース」に移った日
  • 3
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界でも過去最大規模
  • 4
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 5
    180万トンの「リチウムごみ」を資源に...EV電池の「…
  • 6
    一人っ子政策後も止まらない人口減少...中国少子化は…
  • 7
    スペースXの宇宙飛行士の帰還が健康問題で前倒しに..…
  • 8
    ロシア軍の前線で「弾よけ」にされるアフリカ人...兵…
  • 9
    町長を「バズーカで攻撃」フィリピンで暗殺未遂、大…
  • 10
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 3
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した──台湾高官が分析
  • 4
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 5
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 6
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 7
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 8
    前進するロシア、忍び寄る限界...勝者に見えるプーチ…
  • 9
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
  • 10
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中