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ロシア

矛盾だらけ、ネムツォフ殺害は「イスラム過激派の犯行」説

2015年3月10日(火)18時08分
ジョシュア・キーティング

 ネムツォフの支持者からは早速、イスラム過激派の犯行説をナンセンスだとする反論が出ている。ネムツォフと共に反体制派組織「連帯」を立ち上げたイリヤ・ヤシンは、チェチェン人犯行説は「プーチンを批判の矢面から守る」ためのシナリオだとツイート。「引き金を引いた人物は罰せられても、裏で殺害を指示した人間は罪に問われない」

 ロシアの反体制派は、ネムツォフはロシア政府に盾突いたせいで殺害されたという主張を曲げていない。彼らは、ネムツォフ殺害を政府が差し向けたスパイによる暗殺か、政府のプロパガンダに乗せられた国粋主義者の単独犯行と見ている。

 彼らにとってネムツォフ殺害事件は、プーチンのチェチェン政策を痛烈に批判していた記者アンナ・ポリトコフスカヤが06年に暗殺された事件を思い起こさせるものでもある。ポリトコフスカヤ暗殺事件でも、数名のチェチェン人が実行犯として有罪判決を受けた。だが、殺害を指示した黒幕は今も明らかになっていない。

© 2015, Slate

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