ニュース速報
ワールド

日仏首脳会談、イラン情勢「早期沈静化に向けた意思疎通」で一致

2026年04月01日(水)20時34分

東京・赤坂の迎賓館で行われた共同記者会見(2026年4月1日撮影)。 FRANCK ROBICHON/Pool via REUTERS

Tamiyuki Kihara

[東京 1日 ロイ‌ター] - 高市早苗首相とフランスのマクロン‌大統領が1日、東京都内で首脳会談に臨んだ。フラン​スは今年の主要7カ国(G7)議長国。両首脳は混迷するイラン情勢に関し、米国を含むG7間での連携のあり⁠方について協議した。2国間関係と​しては経済安全保障、防衛などの分野での関係深化を確認。原子力発電やレアアース(希土類)開発で共同出資事業を進めることでも一致した。

マクロン氏の訪日は約3年ぶり4回目。高市氏との本格的な会談は初めてとなる。会談後の共同記者発表で、高市⁠氏は中東情勢について「ホルムズ海峡における航行の安全の確保、重要物資の安定供給や事態の早期沈静化の重要性を確認し、引き続⁠き緊​密に意思疎通していくことで一致した」と説明した。

また、「国際情勢が厳しいからこそ、日仏両国首脳が親交を深めて、連携を強固なものにする意義がある」と強調。原子力、AI(人工知能)、国際保健分野に関する共同声明の発出で合意したことを明らかにした。

高市氏は具体的な合意内容についても説明。安全保障の分野で「日仏防衛ロードマップ」を⁠取りまとめ、共同訓練や演習の積極的な実施を通じて地域‌の平和と安定を図る考えを示した。経済安全保障分野では、重要鉱物などの輸出⁠規制⁠について深刻な懸念を共有するとともに、供給網(サプライチェーン)強靭化に向け、日仏が戦略的に協力する「日仏重要鉱物協力ロードマップ」に署名したとも説明した。

科学技術分野でも、AIに関するハイレベル対話の立ち上げで一致。「AIサミットの日本開催に向けて、フランスと協‌力していく」と述べた。原子力分野については、高速炉開発、核燃​料サ‌イクルの推進などに加え、⁠核融合エネルギーの早期実現に​向けて日欧が取り組むプロジェクト「国際熱核融合実験炉(ITER)」と「JT─60SA」を挙げ、フランスとの協力を強化していく意向を示した。2日には、マクロン氏とともにスペースデブリ対策の最先端技術を有する日本のスタートアップ企業を視察するという。

今年6月、フランス南東部のリゾート地、エビアン・レ・バ‌ンでG7首脳会議(サミット)が開かれる。高市氏はサミット成功に向けてマクロン氏と緊密に連携していく考えも強調した。

G7は3月30日、財務相・中銀総裁​らによるオンライン会合を開催。エネル⁠ギー市場の安定を確保し、最近の変動による広範な経済への波及効果を抑えるため、「必要なあらゆる措置」を講じる用意があるとする共同声明を発出している。また、​各国に対し「石油および関連製品に対する不当な輸出制限を課すことを控える」よう要請。G7および国際的なパートナーと引き続き情報交換と緊密な連携を行い、今後の展開に応じて必要に応じて会合を開く準備を整える、としている。

(鬼原民幸 編集:橋本浩)

ロイター
Copyright (C) 2026 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

米ADP民間雇用、3月予想上回る6.2万人増 前月

ワールド

ロシア 、 ドンバス地域のルハンスク州完全掌握と発

ワールド

日仏首脳会談、イラン情勢「早期沈静化に向けた意思疎

ビジネス

米住宅ローン金利、6.57%に上昇 昨年8月以来の
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:日本企業に迫る サステナビリティ新基準
特集:日本企業に迫る サステナビリティ新基準
2026年4月 7日号(3/31発売)

国際基準の情報開示や多様な認証制度──本当の「持続可能性」が問われる時代へ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「根底にあるのは怒り」...日本の「3Dプリンター住宅」企業が救う、ウクライナの未来
  • 2
    攻撃開始日も知っていた?──イラン戦争を巡る巨額取引、インサイダー疑惑が市場に波紋
  • 3
    なぜイスラエルは対イラン戦争を支持するのか...「イラン恐怖」の正体
  • 4
    中国がイラン戦争最大の被害者? 習近平の誤った経…
  • 5
    初の女性カンタベリー大主教が就任...ウィリアム皇太…
  • 6
    北京に代わる新都市構想は絵に描いた餅のまま...大幅…
  • 7
    年金は何歳からもらうのが得? 男女で違う「最適な受…
  • 8
    ロシア経済を支える重要な港、ウクライナのものと思…
  • 9
    「え、なんで?」フライト中に操縦席の窓が覆われて…
  • 10
    韓国・週4.5日労働制が問いかけるもの ──「月曜病」解…
  • 1
    「根底にあるのは怒り」...日本の「3Dプリンター住宅」企業が救う、ウクライナの未来
  • 2
    ヘンリー・メーガン夫妻の豪州訪問に3万6000人超の反対署名...「歓迎してない」の声広がる
  • 3
    「水に流す」日本と「記憶する」韓国...気候と地理が育んだ「国民意識の違い」とは?
  • 4
    記憶を定着させるのに年齢は関係ない...記憶の定着度…
  • 5
    ロシア経済を支える重要な港、ウクライナのものと思…
  • 6
    中国最大の海運会社COSCOがペルシャ湾輸送を再開──緊…
  • 7
    攻撃開始日も知っていた?──イラン戦争を巡る巨額取引…
  • 8
    映画『8番出口』はアメリカでどう受け止められた?..…
  • 9
    作者が「投げ出した」? 『チェンソーマン』の最終…
  • 10
    オランウータンに「15分間ロックオン」された女性のS…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 4
    「根底にあるのは怒り」...日本の「3Dプリンター住宅…
  • 5
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 6
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 7
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 8
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 9
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
  • 10
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中