最新記事

中国

胡錦濤、海軍に「戦争に備えよ」

Why Is China's Navy Preparing for Combat?

南シナ海領有権問題などで周辺国と対立する中国が着々と進める軍備増強の本気度

2011年12月7日(水)16時37分
エミリー・ロディッシュ

 中国の胡錦濤(フー・チンタオ)国家首席が12月6日、中国海軍に対して戦闘に備えるよう呼び掛けた、と報じられた。

 胡は中央軍事委員会に対し、海軍は「変革と近代化を断固として加速させ、国家の安全保障と世界平和にさらなる貢献をするために、軍事闘争への備えを拡大させる」べきだと語った。

 中国国営・新華社通信の英文記事では、胡が軍に「戦争」への備えを拡大するよう呼び掛けたと翻訳された。

 だがAFP通信によれば、「戦争」はちょっとした拡大解釈だ。胡の演説に登場した「軍事闘争」という言葉は、「軍事的な戦闘行為」や「軍事的な戦い」とも翻訳出来る。

 胡の発言の一方で、中国海軍の活動は周辺諸国の懸念事項になっている。中国は11月末、周辺国と領有権争いが起きている南シナ海で海軍の軍事演習を行うと発表した(どこか特定の国を標的としたものではないと主張している)。

空母は本当に訓練用か

 最近のバラク・オバマ米大統領の姿勢を考えれば、中国のこうした行動は想定内の反応だ。アメリカは太平洋地域における影響力を強めようと、アジアでの動きを活発化させている。オバマは11月に訪問したオーストラリアで、米海兵隊員2500人を同国に駐留させる計画を発表。これに対して中国は予想通り、苛立ちの反応を見せた。

 約300万人の兵士を擁する世界最大の軍隊、中国人民解放軍は陸軍が中心だ。それでも海軍は確実に存在感を増しつつある。

 この夏、中国海軍は「秘密」で進められていた空母開発計画の存在を認めた。空母は象徴的な意味合いの大きい存在で、中国側も実験・訓練用だとしている。だが一般的な認識からすれば、8月に行われた初の試験航行は周辺国との緊張をあおりかねない大胆な行動だった。

 胡の言葉も、同じような波紋を呼ぶ可能性がある。

GlobalPost.com特約

ニュース速報

ビジネス

英金融機関、EU離脱で「パスポート」失うリスク=仏

ワールド

欧州委員会、英出身で金融担当のヒル委員が辞任 

ビジネス

EU外相らが英国に早期離脱求める、独首相は性急な動

ビジネス

英格付け、国民投票受け見通しを「ネガティブ」に=ム

MAGAZINE

特集:英国はどこへ行く?

2016-6・28号(6/21発売)

EU離脱の是非を問うイギリス国民投票はいかに──。統合の理念が揺らぐ欧州と英国を待つ未来

人気ランキング (ジャンル別)

  • 最新記事
  • コラム
  • ニュース速報
  1. 1

    ISISが3500人のNY「市民殺害リスト」をアプリで公開

    無差別の市民を選び出し、身近な標的を殺せと支持…

  2. 2

    もし第3次世界大戦が起こったら

  3. 3

    英キャメロン首相「EU離脱派6つのウソ」

  4. 4

    ハーバードが絶賛する「日本」を私たちはまだ知らない

  5. 5

    未婚男性の「不幸」感が突出して高い日本社会

  6. 6

    Windows10の自動更新プログラム、アフリカのNGOを危険にさらす

  7. 7

    搾取されるK‐POPのアイドルたち

  8. 8

    「国家崩壊」寸前、ベネズエラ国民を苦しめる社会主義の失敗

  9. 9

    あらゆる抗生物質が効かない「スーパー耐性菌」、アメリカで初の感染が見つかる

    ペンシルバニア州に住む49歳の女性から発見…

  10. 10

    コンビニATM14億円不正引き出し、管理甘い日本が狙われる

    アフリカ諸国、東欧、中東などでは不正分析ソフト…

  1. 1

    レイプ写真を綿々とシェアするデジタル・ネイティブ世代の闇

    ここ最近、読んでいるだけで、腹の底から怒りと…

  2. 2

    英国のEU離脱問題、ハッピーエンドは幻か

    欧州連合(EU)にさらに権限を委譲すべきだと答え…

  3. 3

    伊勢志摩サミットの「配偶者プログラム」はとにかく最悪

    <日本でサミットなどの国際会議が開催されるたび…

  4. 4

    嫌韓デモの現場で見た日本の底力

    今週のコラムニスト:レジス・アルノー 〔7月…

  5. 5

    間違い電話でわかった借金大国の悲しい現実

    ニューヨークに住み始めた僕は、まず携帯電話を手…

  6. 6

    移民問題が「タブー」でなくなったわけ

    ここ数年、僕たちイギリスの国民は、一部の政治…

  7. 7

    美学はどこへ行った?(1):思想・哲学・理論

    <現代アートの国際展は、思想や哲学にインスパイアさ…

  8. 8

    パックンが斬る、トランプ現象の行方【後編、パックン亡命のシナリオ】

    <【前編】はこちら> トランプ人気は否めない。…

  9. 9

    中古ショップで見える「貧困」の真実

    時々僕は、自分が周りの人々とは違った経済的「…

  10. 10

    グラフでわかる、当面「円高」が避けられないただ1つの理由

    〔ここに注目〕物価 為替市場において円高が…

  1. 1

    英国のEU離脱派と残留派、なお拮抗=最新の世論調査

    11日に公表された世論調査によると、英国の欧…

  2. 2

    メルセデス・ベンツの長距離EV、10月に発表=ダイムラー

    ドイツの自動車大手ダイムラーは、メルセデス・…

  3. 3

    米フロリダ州の乱射で50人死亡、容疑者は警備最大手に勤務

    米フロリダ州オーランドの、同性愛者が集まるナ…

  4. 4

    米国株式市場は続落、原油安と世界経済懸念が重し

    米国株式市場は2日続落で取引を終えた。原油が…

  5. 5

    英国民投票、「EU離脱」選択で何が起こるか

    欧州連合(EU)は6月23日の英国民投票を控…

  6. 6

    ECBのマイナス金利、銀行に恩恵=コンスタンシオ副総裁

    欧州中央銀行(ECB)のコンスタンシオ副総裁…

  7. 7

    焦点:タカタ再建、「ラザード」効果で進展か 車各社との調整に期待

    欠陥エアバッグ部品の大量リコール(回収・無償…

  8. 8

    インタビュー:世界的な低金利、エンダウメント型投資に勝機=UBSウェルス

    UBSウェルス・マネジメントのグローバルCI…

  9. 9

    NY市場サマリー(10日)

    <為替> 原油安や銀行株主導で世界的に株安が…

  10. 10

    クリントン氏優位保つ、トランプ氏と支持率11ポイント差=調査

    ロイター/イプソスが実施した最新の世論調査に…

定期購読
期間限定、アップルNewsstandで30日間の無料トライアル実施中!
メールマガジン登録
リクルート
売り切れのないDigital版はこちら

MOOK

ニューズウィーク日本版別冊

0歳からの教育 育児編

絶賛発売中!

コラム

パックン(パトリック・ハーラン)

モハメド・アリ、その「第三の顔」を語ろう

STORIES ARCHIVE

  • 2016年6月
  • 2016年5月
  • 2016年4月
  • 2016年3月
  • 2016年2月
  • 2016年1月