最新記事

中国

離婚するのは本当に難しいから結婚は慎重に...中国「離婚クーリングオフ制度」導入から1年

2022年02月19日(土)16時15分
佐藤太郎

個人の幸福は二の次

中国は2017年以降、法的措置による離婚の数字を発表していない。今回、民政部の発表した数字は同意による離婚、つまり協議離婚のみを対象にしたもの。しかし、中国ではほとんどの離婚で訴訟が絡んでいる、と広州在住の離婚弁護士は指摘する。「民政当局のデータは全体像を示していない」

多くの地方政府が「離婚クーリングオフ制度」を「非常にうまくいっている」と評価、主張する一方で、上海在住の心理学者・黄静氏は、個人の幸せという観点から判断すると、結婚生活を癒すことにはならないと言う。ネット上では、「離婚クーリングオフ制度」について、人権侵害、なおさら結婚したくなくなった、婚姻の自由を尊重するといいながら険悪な家庭環境を無理やり維持させようとしている、など政策と世間の温度差が露わだ。

「当局にとって、この措置の目的は安定を維持すること。個人の幸福なんて考慮に入れていないのです」と黄静氏は言う。


<注目の記事>
「ワンクリック離婚」が大好評! 離婚もネット完結の時代に
離婚したい! 思い立ってもすぐにそうとはいかないスイス、協議離婚でも最高33万円
泥沼の離婚劇『マリッジ・ストーリー』にスター俳優2人が命を吹き込む

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

ノボノルディスクとファイザー、米メッツェラ巡り買収

ワールド

7&IHD、複数のM&A・連携含めた取り組み進めて

ワールド

APECサミットが開幕、韓国大統領「共通の繁栄へ協

ビジネス

中国製造業PMI、10月は49.0に低下 7カ月連
あわせて読みたい

RANKING

  • 1

    残忍非道な児童虐待──「すべてを奪われた子供」ルイ1…

  • 2

    女性の胎内で育てる必要はなくなる? ロボットが胚…

  • 3

    「結婚に反対」だった?...カミラ夫人とエリザベス女…

  • 4

    24歳年上の富豪と結婚してメラニアが得たものと失っ…

  • 5

    「エプスタインに襲われた過去」と向き合って声を上…

  • 1

    残忍非道な児童虐待──「すべてを奪われた子供」ルイ1…

  • 2

    やはり「泣かせた」のはキャサリン妃でなく、メーガ…

  • 3

    「エプスタインに襲われた過去」と向き合って声を上…

  • 4

    【独占】「難しいけれど、スローダウンする」...カナ…

  • 5

    「SNSで話題の足裏パッドで毒素は除去されない」と専…

  • 1

    「エプスタインに襲われた過去」と向き合って声を上…

  • 2

    残忍非道な児童虐待──「すべてを奪われた子供」ルイ1…

  • 3

    やはり「泣かせた」のはキャサリン妃でなく、メーガ…

  • 4

    「恐ろしい」...キャサリン妃のウェディングドレスに…

  • 5

    日本初の「女性首相」は生まれる?...「高く硬いガラ…

MAGAZINE

LATEST ISSUE

特集:高市早苗研究

特集:高市早苗研究

2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える