BTSカムバック公演で光化門に26万人、ソウル中心部の交通を遮断 ──「式場に入れない」新婦の訴えに警察が異例対応
強制有給など、近隣企業にも波紋
公演の影響は職場にも及んだ。労働問題を扱う「職場パワハラ119」には、光化門周辺の企業が従業員に対して年次有給休暇の取得を強要しているという通報が相次いだ。金曜日の午後に半休取得を強いられたり、土曜日出勤の予定があるにもかかわらず出勤しないよう通知されたりするケースが多数報告されており、オンライン上でも賛否両論の議論が巻き起こった。
結婚式が危機に──警察が異例の輸送作戦
こうした混乱の中で、最も切実な声を上げたのは、公演当日に式を挙げる予定だった新郎・新婦とその関係者たちであった。結婚式場が入るプレスセンタービルは光化門広場のすぐそばに位置しており、広範な交通規制によって招待客がたどり着けない事態が懸念された。乙支路3街(ウルチロサムゲ)駅から式場まで1kmを超える距離を徒歩で移動するしかない状況となり、プレスセンター側は招待客に対して金属探知機による検索手続きまで設ける対応を余儀なくされた。
新郎・新婦側は公演主催者やソウル市に支援を求めたが、移動問題に関して明確な支援方針を聞くことはできなかった。こうした状況を把握したソウル警察庁が内部で検討を重ねた末に提案したのが、警察バスによる結婚式出席者の輸送作戦である。
21日午後3時から結婚式が始まる午後4時まで、乙支路3街駅と韓国プレスセンターの間に警察バスを投入し、招待客を会場まで運ぶというものだ。新郎・新婦側もこの提案に同意した。
警察関係者は「午後4時は最も人出が多いと予想される時間帯であり、式場に入ること自体が困難になりかねないと判断した。市民の不便を最小化する観点から決定した」と説明した。バスの具体的な運用方法については引き続き協議中だとしている。
祝祭と混乱、共存する一日
公演に胸を躍らせるファンがいる一方で、地域住民や近隣で働く人々の不満も少なくなかった。光化門で取材に応じたアン・ソヨンさん(48)は「BTSのファンではあるが、様々なイベントで人が殺到する恐れがあり、周辺でうわさや雑音も起きているようで心配だ」と話しつつも、「BTSの10周年に行われた汝矣島でのイベントも安全に終わった良い前例がある。今回も無事に終わってほしい」と願いを込めた。
世界的なアーティストの公演が都市機能に与える影響の大きさを改めて示した今回の事例。祝祭の熱気と行政・警察の対応力、そして市民の日常生活のはざまで、ソウルは一つの試練に向き合っている。






