中東紛争で「空の過密」深刻化、欧州航空安全庁 対ドローン指針明確化へ
ルフトハンザ航空機。3月5日、ドイツのフランクフルト空港で撮影。REUTERS/Kai Pfaffenbach
Tim Hepher Joanna Plucinska
[ケルン 30日 ロイター] - 欧州航空安全庁(EASA)のフロリアン・ギルメット長官はロイターの取材に対し、拡大する中東紛争などの影響で飛行ルートが制限され、ドローン(無人機)の普及も相まって航空運航のリスクが高まっていると警鐘を鳴らした。
先月勃発したイラン戦争は中東の空域を再編させ、アジアと欧州を結ぶ従来のルートを遮断するなど、運航への混乱を招いている。ロシア・ウクライナ紛争の長期化に加え、パキスタン・アフガニスタン間での戦闘も重なり、航空各社はアゼルバイジャンや中央アジア上空の極めて狭いコリドー(飛行経路)への集約を余儀なくされている。
ギルメット氏は「特定のルートに交通が集中し、不慣れな経路の使用を強いられることは、安全上のリスクを生じさせる」と指摘した。2月末の中東紛争勃発以来、欧州の規制当局が公に発言するのは今回が初めて。
航空業界はミサイルやドローンの脅威にさらされており、最も大きな打撃を受けている産業の1つだ。フランスの航空管制システムを率いた経験を持つ同氏は、空域の閉鎖や運航制限は時に避けられないとした上で、「『空域を整理する』ことは、乗客には不便を強いるが、交通密度を常に制御下に置くための最も効果的な手段だ」と述べた。
EASAは、GPS(全地球測位システム)干渉やドローン、不安定な着陸進入といったリスクの増大に対応するため、航空戦略の刷新を準備している。27日には、イラン、イスラエル、および湾岸の一部空域の飛行を4月10日まで避けるよう勧告を更新した。
<対ドローン指針、明確化へ>
また、民間空港を標的とした不審なドローン活動の急増を受け、EASAは行使可能な権限を明確化する指針の策定を進めている。
欧州の空港は、軍事力やサイバー攻撃を組み合わせた、いわゆる「ハイブリッド戦」の一環とみられるドローン事案に苦慮している。2022年のロシアによるウクライナ侵攻以降、ドローンは主要な兵器となり、ストックホルムからミュンヘンに至る各都市の空港で、紛争に関連した疑いのある運航障害が発生している。
ギルメット氏は「国家が関与するドローン活動が増加しており、非常に異なる情勢に直面している」とし、空港周辺で使用される対抗装置の技術的要件や、行使できる権限の範囲を明確にする必要があるとの考えを示した。





