欧州司法裁、同性婚の域内承認命じる ポーランドを批判
2024年7月21日、独ケルンでのLGBTQ+パレード REUTERS/Jana Rodenbusch
[25日 ロイター] - 欧州連合(EU)の最高裁判所に当たる欧州司法裁判所は25日、同性婚はEU全域で尊重されるべきとの判断を示し、ポーランド当局がドイツで結婚して帰国したカップルの婚姻を認めなかったのは誤りだと指摘した。
ポーランドの対応について、「移動および居住の自由だけでなく、私生活や家族生活が尊重されるという基本的権利も侵害している」と非難した。
この男性カップルは2018年にベルリンで結婚したが、ドイツで発行された婚姻証明書のポーランドの戸籍簿への記載を拒否されたため訴えを起こした。司法裁はポーランドの裁判所からの付託を受け、拘束力のある判断を示した。
司法裁はEU市民には他の加盟国へ移住する自由があり、母国でも他の国でも「通常の家庭生活」を送る自由があると強調した。
一方で、今回の判断は加盟各国に対し、自国法で同性婚を認めることを義務付けるものではないとした。しかし同時に、国外で成立した婚姻を承認するに当たり、同性カップルを差別することは許されないとくぎを刺した。
トゥスク首相率いる親EU政権は同性間のパートナーシップを規定する法案の策定を目指しているが、連立政権内の保守派からの反発で足止めされている。保守派のナブロツキ大統領も「憲法で保障された結婚の地位を損なういかなる法案に対しても拒否権を行使する」と述べている。





