ニュース速報
ワールド

米感謝祭前の旅客便、政府閉鎖で「ごくわずか」に=米運輸長官

2025年11月10日(月)07時50分

ワシントン近郊のロナルド・レーガン・ワシントン・ナショナル空港で7日撮影。REUTERS/Nathan Howard

David Shepardson David Ljunggren

[ワシントン 9日 ロイター] - 米政府機関の閉鎖が続く中でダフィー米運輸長官は9日のCNNテレビの番組で、航空管制官の人員不足が深刻化しているのを受け、感謝祭の祝日の前に運航される旅客便は「ごくわずか」まで減少すると警告した。

政府機関閉鎖によって航空管制官を含めた連邦政府職員の給与が数週間支払われておらず、管制官不足を招いている。このため連邦航空局(FAA)は安全上の懸念があるとして7日以降に主要40空港で1日当たりの便数を4%減らすよう航空会社に指示した。減便は11日までに6%、14日までに10%に拡大するよう義務付けられている。

今年は今月27日に当たる感謝祭は米国で最も重要な祝日の1つで、前後には数百万人もの人々が旅行に出かける。ダフィー氏は状況がさらに悪化し、「感謝祭の2週間前は、航空便がごくわずかになるだろう」とし、「この状況が解消されなければ運航便数が大幅に減少するため、多くの人々が飛行機に乗れないだろう」と警鐘を鳴らした。

7日に1025便が欠航、7000便が遅延したのに続き、8日は約1550便が欠航し、6700便が遅れた。9日は状況がさらに悪化し、米東部時間午前10時半(1530GMT)時点で1400便が欠航し、2700便が遅延している。

政府機関の閉鎖後、1万3000人の管制官と5万人の保安検査官が無給での勤務を強いられている。FAAは12の管制塔で人員不足が発生していると説明する。

ダフィー氏は10月1日に連邦政府機関の閉鎖が始まって以来、航空管制官の退職者が増加していると説明。FAAは管制官を全面的に補充するには1000―2000人が不足しているとして「経験豊富な管制官たちに退職せずに仕事を続けるために給与を支払ってきた」ものの、「政府閉鎖前は1日当たり4人程度の管制官が退職していたが、今では1日当たり15人から20人が退職している」と指摘した。

米大手航空会社でつくる団体、エアラインズ・フォー・アメリカの調査結果では10月1日以降に400万人を超える航空利用者の旅行計画が混乱したとし、14日までに米経済への1日当たりの影響額が2億8500万―5億8000万ドルに達するとの推計を発表した。

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

豪経済、生産能力なお逼迫と中銀副総裁 利下げ余地限

ワールド

台湾、孤立せず友人増えてる 欧州から帰着の蕭副総統

ワールド

トランプ氏、食肉記録的高値で司法省に加工業者の調査

ワールド

クシュナー氏、イスラエル首相とガザ停戦巡り協議へ=
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評家たちのレビューは「一方に傾いている」
  • 2
    ドジャースの「救世主」となったロハスの「渾身の一撃」は、キケの一言から生まれた
  • 3
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 4
    筋肉を鍛えるのは「食事法」ではなく「規則」だった.…
  • 5
    「座席に体が収まらない...」飛行機で嘆く「身長216c…
  • 6
    レイ・ダリオが語る「米国経済の危険な構造」:生産…
  • 7
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 8
    「非人間的な人形」...数十回の整形手術を公表し、「…
  • 9
    「爆発の瞬間、炎の中に消えた」...UPS機墜落映像が…
  • 10
    「豊尻」施術を無資格で行っていた「お尻レディ」に1…
  • 1
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 2
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 3
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 4
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評…
  • 5
    「座席に体が収まらない...」飛行機で嘆く「身長216c…
  • 6
    「遺体は原型をとどめていなかった」 韓国に憧れた2…
  • 7
    「路上でセクハラ」...メキシコ・シェインバウム大統…
  • 8
    虹に「極限まで近づく」とどう見える?...小型機パイ…
  • 9
    筋肉を鍛えるのは「食事法」ではなく「規則」だった.…
  • 10
    クマと遭遇したら何をすべきか――北海道80年の記録が…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 6
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 7
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 8
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 9
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 10
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中