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各国の気候目標未達を批判、COP30前に国連事務総長

2025年11月07日(金)09時08分

グテレス国連事務総長(左)。11月6日、ブラジルのベレンで撮影。REUTERS/Adriano Machado

Valerie Volcovici Lisandra Paraguassu William James

[ベレン(ブラジル) 6日 ロイター] - グテレス国連事務総長は6日、各国は気温上昇を1.5度に抑制できていないと厳しく批判した。第30回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP30)を前に、ブラジルのアマゾン川流域都市ベレンで行われた首脳級会合で演説した。

科学者らは、世界は2030年ごろに1.5度の気温上昇閾値を超え、不可逆的な結果をもたらす極端な温暖化が起こるリスクがあるとしている。

グテレス氏は「あまりにも多くの企業が気候変動による破壊から記録的な利益を上げ、ロビー活動、世論への欺瞞(ぎまん)、進歩の妨害に数十億ドルを費やしている。あまりにも多くの指導者がなお、こうした既得権益に捕われている」と指摘した。

各国は毎年約1兆ドルを化石燃料への補助金に費やしている。

グテレス氏は、指導者には2つの明確な選択肢があると指摘。「主導権を握るか、破滅に導かれるかだ」と述べた。

COP30は国際的な気候変動交渉開始から30周年を迎える会議。この間、各国は予測される排出量増をある程度抑制してきたものの、今後数十年間に発生する恐れがある極端な地球温暖化の回避には不十分という。

世界気象機関(WMO)は、今年は8月までの平均気温が産業革命以前の平均気温を1.42度上回り、記録上2番目または3番目に暑い年になる可能性が高いと発表した。23年と24年も記録的な猛暑だった。

ロイター
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