温室ガスゼロは「邪悪な目標」、米エネルギー長官が批判

2月17日、ライト米エネルギー長官は、温室効果ガスの排出を2050年までに実質ゼロにする目標について「邪悪な目標」と呼び、否定的な態度を示した。ホワイトハウスで14日撮影(2025年 ロイター/Nathan Howard)
William James Alex Lawler
[ロンドン 17日 ロイター] - ライト米エネルギー長官は17日、温室効果ガスの排出を2050年までに実質ゼロにする目標について「邪悪な目標」と呼び、否定的な態度を示した。ロンドンで開催された会議でビデオを通じて発言した。
バイデン前米大統領は21年、気候変動対策として、50年までに排出量ネットゼロを達成するという目標を表明。クリーンエネルギーや電気自動車(EV)の普及を促進するため補助金を導入するなどした。
ライト氏は「ネットゼロ2050は邪悪な目標だ。恐ろしい目標だ」と主張。「この目標を積極的に目指すことは、利点がないばかりか、膨大なコストを伴う」と語った。
質疑応答では、政府が石油、ガス、石炭の生産の「邪魔をしない」ことが最優先事項だと述べた。
ライト氏はネットゼロを巡って特に英国を批判。現政府が30年までの達成を目指す脱炭素エネルギーシステムの追求は、生活水準を損ない、排出ガスを世界の他の場所に輸出しているだけだと強調した。