米政府、イスラエルに軍の活動見直しを要請 米女性殺害で
イスラエル軍は、パレスチナ自治区ヨルダン川西岸で米国籍のアイセヌル・エズギ・エイギさん(26)が殺害されたことについて、同国軍が発砲した可能性が高いとしながらも故意ではなかったとして、遺憾の意を表明した。8日撮影(2024年 ロイター/Raneen Sawafta)
[エルサレム/ロンドン 10日 ロイター] - ブリンケン米国務長官とオースティン米国防長官は10日、パレスチナ自治区ヨルダン川西岸で米国籍のアイセヌル・エズギ・エイギさん(26)が殺害されたことを受け、イスラエル軍にヨルダン川西岸での活動を見直すよう求めた。
イスラエルは、同国軍が発砲した可能性が高いとしながらも故意ではなかったとして、遺憾の意を表明した。
イスラエル軍は、調査からエイギさんはイスラエル国防軍の銃撃によって間接的に意図せず撃たれた可能性が高いと発表。銃撃は「エイギさんではなく、暴動の主犯格を標的にしたものだった」とした上で、「イスラエル国防軍はエイギさんの死に深い遺憾の意を表する」と述べた。
ブリンケン米国務長官は、この殺害は「理不尽かつ不当」なものであり、イスラエル治安部隊が交戦規則を根本的に変更する必要があることを示しているとの見解を示した。
「抗議活動に参加したという理由で銃撃され殺害されるようなことはあってはならない。自由に意見を表明したというだけで命を危険にさらすべきではない」と語った。
その上で「我々の判断では、イスラエル治安部隊は交戦規則の変更を含めヨルダン川西岸での活動方法を根本的に変える必要がある」と指摘した。
国防総省は、オースティン国防長官がイスラエルのガラント国防相と会談し、「エイギさんの無差別かつ不当な死に対するイスラエル国防軍の責任について深い懸念」を表明したと発表した。
国防総省によると、オースティン氏はまた、ガラント氏に対し、「ヨルダン川西岸におけるイスラエル軍の交戦規則を再検討するよう」求めたという。
米国当局は、この殺害を巡ってイスラエルに徹底的な調査を求めており、イスラエルが調査結果を提示するまで米政府は判断を保留にするとしている。