ニュース速報

ワールド

米司法長官、トランプ氏宅の捜索認める 核文書が対象か

2022年08月12日(金)14時14分

ガーランド米司法長官は、トランプ前大統領が退任間際にホワイトハウスから違法に記録を持ち出したかどうかを調査するため、FBIがフロリダ州パームビーチにあるトランプ氏の邸宅「マールアラーゴ」を家宅捜索したことを認めた。写真は11日、ワシントンで撮影(2022年 ロイター/Evelyn Hockstein)

[ワシントン 11日 ロイター] - ガーランド米司法長官は11日、連邦捜査局(FBI)がフロリダ州パームビーチにあるトランプ前大統領の邸宅「マールアラーゴ」を家宅捜索したことを認めた。政治的報復行為とトランプ氏が反発したことを受け、捜索令状を公開するよう裁判所に求めたことも明らかにした。

この問題に関連し米紙ワシントン・ポスト(WP)は同日、核兵器に関する文書の捜索が行われたと報じた。文書が押収されたかどうかは不明という。

令状が公開されれば、捜索対象が明らかになる可能性がある。

トランプ氏宅の捜索は、同氏が退任間際にホワイトハウスから違法に記録を持ち出した疑惑に関する捜査の一環。司法省は持ち出された記録の一部は機密文書だと考えている。

ガーランド氏は記者会見で、自身が捜索を承認したと述べた。司法省は、押収物に関する文書も編集後公表するよう求めている。

米司法当局は通常、国民の権利保護の観点から現在実施している調査に関する発言を控えるため、ガーランド長官が捜索実施を認めたのは極めて異例。今回は、トランプ氏自身がFBIの捜索を受けたと公表していた。

長官はトランプ氏が公表したことに加え、「捜索を取り巻く状況、この件に関する国民の高い関心」を踏まえて令状の公開を請求したと説明した。

事情に詳しい関係筋によると、FBIはトランプ氏宅から段ボール箱約10箱分の資料を押収した。トランプ氏は捜索時にフロリダにいなかった。

トランプ氏は11日、自身が立ち上げたSNS(交流サイト)アプリ「トゥルース・ソーシャル」で捜索関連の文書をすぐに公表するよう求めた。

「捜索に関連した文書の公表に反対するつもりはない。それどころか即座の公表を促す。私に対する攻撃に執着する極左の民主党員、場合によっては将来の政敵が作成したものであってもだ」と主張した。

捜索令状の公開にトランプ氏の弁護団が異議を唱えるかは不明。

これに先立ちトランプ氏は「私の弁護士と代理人は全面的に協力しており、非常に良好な関係が構築されている。米政府が望むものをわれわれが保有していれば、米政府は何でも入手することができる」と投稿していた。

トランプ氏の家宅捜索を引き金に、ネット上では司法省に対し批判や脅迫が飛び交った。トランプ氏支持者や共和党員の一角は、民主党がトランプ氏を標的とするためにFBIを武器にしていると非難した。

こうした中、11日にはオハイオ州シンシナティにあるFBIビルに武装した男が侵入を図ろうとした後に逃走し、警察官らと銃撃戦に発展する事件が発生した。

ガーランド長官はFBIおよび司法省の「公正性に対する不当な攻撃を静観することはない」と強調した。

*システムの都合で再送します。

ロイター
Copyright (C) 2022 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

アングル:ドローン大量投入に活路、ロシアの攻勢に耐

ビジネス

米国株式市場=S&P・ナスダックほぼ変わらず、トラ

ワールド

トランプ氏、ニューズ・コープやWSJ記者らを提訴 

ビジネス

IMF、世界経済見通し下振れリスク優勢 貿易摩擦が
MAGAZINE
特集:AIの6原則
特集:AIの6原則
2025年7月22日号(7/15発売)

加速度的に普及する人工知能に見えた「限界」。仕事・学習で最適化する6つのルールとは?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 2
    「細身パンツ」はもう古い...メンズファッションは「ゆったり系」がトレンドに
  • 3
    「想像を絶する」現場から救出された164匹のシュナウザーたち
  • 4
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が…
  • 5
    日本より危険な中国の不動産バブル崩壊...目先の成長…
  • 6
    「二次制裁」措置により「ロシアと取引継続なら大打…
  • 7
    「どの面下げて...?」ディズニーランドで遊ぶバンス…
  • 8
    ロシアの労働人口減少問題は、「お手上げ状態」と人…
  • 9
    「異常な出生率...」先進国なのになぜ? イスラエル…
  • 10
    アフリカ出身のフランス人歌手「アヤ・ナカムラ」が…
  • 1
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 2
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が話題に
  • 3
    「ベンチプレス信者は損している」...プッシュアップを極めれば、筋トレは「ほぼ完成」する
  • 4
    日本より危険な中国の不動産バブル崩壊...目先の成長…
  • 5
    「お腹が空いていたんだね...」 野良の子ネコの「首…
  • 6
    どの学部の卒業生が「最も稼いでいる」のか? 学位別…
  • 7
    アメリカで「地熱発電革命」が起きている...来年夏に…
  • 8
    千葉県の元市長、「年収3倍」等に惹かれ、国政に打っ…
  • 9
    ネグレクトされ再び施設へ戻された14歳のチワワ、最…
  • 10
    「二度とやるな!」イタリア旅行中の米女性の「パス…
  • 1
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 2
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 3
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が話題に
  • 4
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測…
  • 5
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事…
  • 6
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 7
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で…
  • 8
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...…
  • 9
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々…
  • 10
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中