ニュース速報
ビジネス

関税、持続的なインフレにつながる可能性=セントルイス連銀総裁

2025年03月27日(木)05時33分

米セントルイス地区連銀のムサレム総裁は26日、米国のインフレ率が短期的には連邦準備理事会(FRB)の2%目標を上回って停滞、あるいは一段上昇するリスクが高まっており、関税も持続的な上昇圧力を引き起こす可能性があるとの見方を示した。2月撮影(2025年 ロイター/Brendan McDermid)

Howard Schneider

[26日 ロイター] - 米セントルイス地区連銀のムサレム総裁は26日、米国のインフレ率が短期的には連邦準備理事会(FRB)の2%目標を上回って停滞、あるいは一段上昇するリスクが高まっており、関税も持続的な上昇圧力を引き起こす可能性があるとの見方を示した。

ムサレム氏は、関税の当初の直接的な影響は短期的なものになる可能性があるとしながらも、FRBに対応を迫るほどの影響を与えることなく全て消え去るか油断せず見守る姿勢を示した。

インフレ期待と物価が一貫して上昇すれば、FRBは将来的に金融引き締め政策の検討を迫られる可能性もあるが、それは同氏の基本見通しではないとも指摘。「経済が引き続き好調でインフレが目標を上回っている場合、インフレが2%に収束するという確信が得られるまで、現在の緩やかな引き締め政策は適切であり続けると確信している」とした。さらに、現状を考慮するとFRBが利下げを急ぐ必要はないとも述べた。

その上で、「労働市場が引き続き堅調で関税の二次的影響が発現した場合、あるいは中長期的なインフレ期待が実際のインフレ率またはその持続性を高め始める場合、適度に引き締め的な政策をより長期間維持するか、あるいはより引き締め的な政策の検討が必要になる可能性がある」とした。

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

中国、ガリウムやゲルマニウムの対米輸出禁止措置を停

ワールド

米主要空港で数千便が遅延、欠航増加 政府閉鎖の影響

ビジネス

中国10月PPI下落縮小、CPI上昇に転換 デフレ

ワールド

南アG20サミット、「米政府関係者出席せず」 トラ
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 2
    「座席に体が収まらない...」飛行機で嘆く「身長216cmの男性」、前の席の女性が取った「まさかの行動」に称賛の声
  • 3
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評家たちのレビューは「一方に傾いている」
  • 4
    筋肉を鍛えるのは「食事法」ではなく「規則」だった.…
  • 5
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 6
    ドジャースの「救世主」となったロハスの「渾身の一…
  • 7
    「路上でセクハラ」...メキシコ・シェインバウム大統…
  • 8
    レイ・ダリオが語る「米国経済の危険な構造」:生産…
  • 9
    「非人間的な人形」...数十回の整形手術を公表し、「…
  • 10
    クマと遭遇したら何をすべきか――北海道80年の記録が…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 3
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 4
    9歳女児が行方不明...失踪直前、防犯カメラに映った…
  • 5
    「日本のあの観光地」が世界2位...エクスペディア「…
  • 6
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評…
  • 7
    「座席に体が収まらない...」飛行機で嘆く「身長216c…
  • 8
    「遺体は原型をとどめていなかった」 韓国に憧れた2…
  • 9
    虹に「極限まで近づく」とどう見える?...小型機パイ…
  • 10
    「路上でセクハラ」...メキシコ・シェインバウム大統…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 6
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 7
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 8
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 9
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 10
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中