ニュース速報
ビジネス

次回利上げまでの期間や到達水準は「予断持たず」=高田日銀委員

2025年02月19日(水)16時26分

 2月19日、日銀の高田創審議委員は宮城県金融経済懇談会後の記者会見で、次回の利上げまでの期間や政策金利の最終的な到達点について「予断を持って対応をすることではない」と述べた。写真は日銀の建物と日本国旗で、2024年3月都内で撮影(2025年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)

Takahiko Wada

[19日 ロイター] - 日銀の高田創審議委員は19日、宮城県金融経済懇談会後の記者会見で、次回の利上げまでの期間や政策金利の最終的な到達点について「予断を持って対応をすることではない」と述べた。

設備投資や賃上げなど、企業の前向きな行動が経済や物価、金融情勢に与える影響を見ながら政策対応していくと説明した。6月に行う国債買い入れ減額計画の中間評価については、市場のボラティリティが高まってしまう事態を避けながら対応していきたいとした。

高田委員は19日午前のあいさつで、堅調な設備投資や賃上げ、価格転嫁の継続といった前向きな企業行動の持続性が引き続き確認され、見通しが実現していけば「一段のギアシフトを進める局面だ」と述べ、利上げを継続していく姿勢を示した。

会見では、中立金利は「虹みたいなもので、近づいていくとわからなくなってしまう」と形容した。

足元では10年金利の上昇が続き、18日には1.4%に乗せた。高田委員は「経済の実態に沿ったいろいろな思惑の中で、長期金利も動いている」と述べた。中間評価については、日銀が昨年3月にイールドカーブ・コントロール(YCC)を終えたことを踏まえ、価格形成を市場に任せていく基本姿勢を示した上で、市場のボラティリティや流動性の状況、市場機能、年限ごとの需給動向を注目ポイントに挙げた。

日銀が保有する上場投資信託(ETF)の取り扱いは「もう少し時間をかけて対応したい」と述べるにとどめた。

高田委員は生鮮食品の価格上昇について「家計のマインドや物価予想には当然影響もあるし、生活面に影響が及んでいるという点もある」と話した。この点に関し、植田和男総裁は12日の国会で「足元の生鮮食品を含む食料品などの値上がりが一時的なものでは必ずしもなく、人々のマインドや期待物価上昇率などに影響を与えているというリスクはゼロではない」と述べている。

米国でトランプ政権が発足して20日で1カ月になる。高田委員は「不確実性は続いているが、少なくとも金融市場や経済の不確実性が増しているということではない」とコメントした。

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

ポーランド鉄道爆破、前例のない破壊行為 首相が非難

ビジネス

ユーロ圏の経済成長率見通し、今年1.3%に上方修正

ワールド

フィリピンの大規模な反汚職デモが2日目に、政府の説

ビジネス

野村HD、「調査の事実ない」 インド債券部門巡る報
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:世界最高の投手
特集:世界最高の投手
2025年11月18日号(11/11発売)

日本最高の投手がMLB最高の投手に──。全米が驚愕した山本由伸の投球と大谷・佐々木の活躍

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生まれた「全く異なる」2つの投資機会とは?
  • 3
    「中国人が10軒前後の豪邸所有」...理想の高級住宅地「芦屋・六麓荘」でいま何が起こっているか
  • 4
    筋肉の正体は「ホルモン」だった...テストステロン濃…
  • 5
    悪化する日中関係 悪いのは高市首相か、それとも中国…
  • 6
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 7
    南京事件を描いた映画「南京写真館」を皮肉るスラン…
  • 8
    レアアースを武器にした中国...実は米国への依存度が…
  • 9
    【写真・動画】「全身が脳」の生物の神経系とその生態
  • 10
    反ワクチンのカリスマを追放し、豊田真由子を抜擢...…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披露目会で「情けない大失態」...「衝撃映像」がSNSで拡散
  • 4
    「死ぬかと思った...」寿司を喉につまらせた女性を前…
  • 5
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生ま…
  • 6
    【写真・動画】「全身が脳」の生物の神経系とその生態
  • 7
    筋肉の正体は「ホルモン」だった...テストステロン濃…
  • 8
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評…
  • 9
    「イケメンすぎる」...飲酒運転で捕まった男性の「逮…
  • 10
    ドジャースの「救世主」となったロハスの「渾身の一…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 4
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 5
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 6
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 7
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 8
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 9
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 10
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中