ニュース速報
ビジネス

中国金融政策、来年は「適度に緩和的」 成長促進へ10年以来の転換

2024年12月09日(月)19時42分

12月9日、 中国共産党中央政治局常務委員会は来年、経済成長を支えるために「適度に緩和的な」金融政策を導入する。国営新華社通信が伝えた。上海で11月撮影(2024年 ロイター/Nicoco Chan)

Kevin Yao Ellen Zhang

[北京 9日 ロイター] - 中国共産党中央政治局常務委員会は来年、経済成長を支えるためにより積極的な財政政策と併せて「適度に緩和的な」金融政策を導入すると発表した。国営新華社通信が9日伝えた。2010年以来の緩和に向けた政策転換となる。    

当局はより積極的な財政政策を実施し、「非伝統的な」景気循環調整を強化すると表明した。    

消費を「積極的に」促進し、内需を「あらゆる面で」拡大する必要があると指摘した。

当局は来年、「安定を維持しながら進歩を追求する原則」を堅持し、進歩を活用して安定を確保し、イノベーションを推進していく方針を示した。

「より積極的な財政政策と適度に緩和的な金融政策を実施し、政策手段を拡充・改良し、非伝統的な景気循環調整を強化する必要がある」と言及した。

住宅市場と株式市場を安定させる必要があると訴えたが、詳細は明らかにしなかった。

会議の結果を受けて、香港株式市場でハンセン指数が2.8%上昇し、1カ月ぶりの高値を付けた。中国国債も上昇した。

政治局会議の公式発表によると、金融政策に関する新たな表現は、10年終盤以来の金融スタンスの緩和となる。

中国人民銀行(中央銀行)は、「緩和的」「適度に緩和的」「穏健な」「適切に引き締め的」「引き締め的」という5段階の政策スタンスを示しており、それぞれのスタンスに柔軟性を持たせている。

人民銀は08年の世界金融危機後に適度に緩和的な金融政策を採用し、10年後半に穏健な政策に転換した。

オーストラリア・ニュージーランド銀行(ANZ)の中国担当シニアストラテジスト、Xing Zhaopeng氏は「これは25年に強力な財政刺激策、大幅な利下げ、資産購入が行われることを示唆している」と述べた。また「政策のトーンは、関税という(次期米大統領)トランプ氏の圧力に対する強い自信を示している」との見方を示した。

人民銀は9月に利下げするとともに金融システムに1兆元(1400億ドル)を注入するなど、新型コロナ危機以降で最も積極的な金融緩和策を打ち出した。

中国は今年、5%前後の成長目標を達成できる可能性があるものの、トランプ氏が中国からの輸入品に追加関税を課す構えを見せていることから、来年も現在の成長ペースを維持するのは難しいとみられる。

ロイター
Copyright (C) 2024 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

東エレク、需要強く純利益は一転増益へ 配当予想も引

ビジネス

トヨタ、通期純利益を上方修正 HV販売増加と原価改

ビジネス

トヨタが社長交代、近CFOが昇格 佐藤氏は3年で副

ビジネス

ドイツの12月輸出が予想以上に増加、鉱工業生産は減
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:トランプの帝国
特集:トランプの帝国
2026年2月10日号(2/ 3発売)

南北アメリカの完全支配を狙うトランプの戦略は中国を利し、世界の経済勢力図を完全に塗り替える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    グラフが示す「米国人のトランプ離れ」の実態...最新世論調査が示すトランプ政権への評価とは
  • 2
    米戦闘機、空母エイブラハム・リンカーンに接近したイラン製ドローンを撃墜
  • 3
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 4
    「右足全体が食われた」...突如ビーチに現れたサメが…
  • 5
    致死率は最大75%のニパウイルスが、世界規模で感染…
  • 6
    「反トランプの顔ぶれ」にMAGAが怒り心頭...グリーン…
  • 7
    エヌビディア「一強時代」がついに終焉?割って入っ…
  • 8
    ユキヒョウと自撮りの女性、顔をかまれ激しく襲われ…
  • 9
    エプスタインが政権中枢の情報をプーチンに流してい…
  • 10
    「エプスタインは悪そのもの」「悪夢を見たほど」──…
  • 1
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 2
    日本への威圧を強める中国...「レアアース依存」から脱却する道筋
  • 3
    180万トンの「リチウムごみ」を資源に...EV電池の「副産物」で建設業界のあの問題を解決
  • 4
    致死率は最大75%のニパウイルスが、世界規模で感染…
  • 5
    ロシア軍の前線で「弾よけ」にされるアフリカ人...兵…
  • 6
    「出禁」も覚悟? ディズニーランドで緊急停止した乗…
  • 7
    グラフが示す「米国人のトランプ離れ」の実態...最新…
  • 8
    米戦闘機、空母エイブラハム・リンカーンに接近した…
  • 9
    高市首相の発言は正しかった...「対中圧力」と「揺れ…
  • 10
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 3
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した──台湾高官が分析
  • 4
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 5
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 6
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 7
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 8
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
  • 9
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界…
  • 10
    【クイズ】韓国を抜いて1位に...世界で最も「出生率…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中