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コマツ、米鉱山機械大手を約3000億円で買収へ 品ぞろえ強化  

2016年07月21日(木)19時28分

 7月21日、コマツ は米鉱山機械メーカーのジョイ・グローバル社を買収すると発表した。買収金額は約3036億円。写真は都内で2013年1月撮影(2016年 ロイター/Shohei Miyano)

[東京 21日 ロイター] - コマツ <6301.T>は21日、米鉱山機械メーカーのジョイ・グローバルを約28億9100万ドル(約3036億円)で買収すると発表した。2017年半ばをめどに買収を完了し、完全子会社化する予定。

コマツにはない超大型の露天掘りや坑内掘り向け鉱山機械を扱うジョイ・グローバル社を傘下に収めることで、鉱山機械製品の品ぞろえを強化し販売サービス体制を拡充する。

鉱山機械の需要は現在、新興国の成長鈍化や資源価格の低迷で落ち込んでいるが、新興国の人口増などを背景に長期的には高まると想定しており、コマツは成長が見込めると判断した。採掘方法も生産性向上や経済合理性の点から露天掘りの機械大型化と坑内掘りのニーズが高まるとみられ、製品での補完効果があるという。

会見したコマツの大橋徹二社長は、鉱山機械の事業環境は「短期的には厳しいが、中長期的には明るい」と述べ、鉱山市況は「かなりボトムにあり、今後伸びていく」として買収の好機との見方を示した。また、鉱山機械など中核事業の強化につながる良い案件があれば今後も「M&Aをやっていく」と話した。

ジョイ・グローバルは1884年に設立。北米や中国、オーストラリアなどに生産拠点を持つ。従業員数は約1万3400人。15年10月期の連結売上高は前期比16%減の31億7200万ドル(約3300億円)で、純損益は11億7800万ドルの赤字(前期は3億3800万ドルの黒字)だった。

コマツの鉱山機械事業の売上高(約4500億円)を合わせると約7800億円で、大橋社長は事業規模として世界2位になるとして「非常に大きなプレゼンスになる」と語った。

コマツは米国法人が設立する子会社とジョイ・グローバルを合併させる「逆三角合併」の手法で買収を実施。1株当たり28.3ドルでジョイ・グローバルの全株式を取得する。買収資金は手元資金と借入金で賄う予定で、現時点で増資は想定していない。ジョイ・グローバルの株主総会や関係国での当局の承認などを経て17年中ごろの買収完了を目指す。

*内容を追加しました。

(白木真紀、浦中大我 編集:宮崎大)

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