コラム

日本人が知らないリバタリアンの国際会議「アジア・リバティ・フォーラム」

2020年04月22日(水)15時15分

自由経済とは何かという議論が十分になされていない日本

日本では自由経済の有用性を政治的な立場から堂々と述べる言論人は非常に少ない印象がある。政府やその利益団体に紐づいた発言をしているほうが政治的批判にさらされることも少なく安心なこともあるだろう。その気持ちは分かるし、自由経済を擁護する言論を実践する人は確固たる信念と根性が必要である。

1990年~現在までの間にアジア諸国が着実に成長を遂げる中、自由経済とは何かという議論が十分になされず、言論がガラパゴス化した日本は失われた30年を経験することになってしまった。個人的な感想を述べるならば、政府が経済のあらゆる側面に介入する日本型の政治経済の仕組みでは、諸外国のような経済成長が望めなかったことは自明の事だったと思う。このようなドツボにハマることを避けるために、同フォーラムに参加するシンクタンクが実践する自由経済を擁護する言論が政治的空間で存在できるようにする取り組みは極めて重要なファクターだったと痛感する。(ちなみに、ガラパゴス言論の代表的なものは小泉政権の構造改革を新自由主義として批判するものだが、同会議参加者で日本に関心がある人は、同改革をケインズ流の大きな政府の亜種と認めることはあっても新自由主義改革と認める人は存在しない。)

このフォーラムの季節が来ると、毎年のように日本と諸外国の間に存在する政治的議論の大きな隔たりを感じる。日本にも自由主義経済の立場に立つ言論が政治の場で行われやすい環境ができていくことで、本当の意味での政治的な選択肢が提示されるようになるだろう。

プロフィール

渡瀬 裕哉

国際政治アナリスト、早稲田大学招聘研究員
1981年生まれ。早稲田大学大学院公共経営研究科修了。 機関投資家・ヘッジファンド等のプロフェッショナルな投資家向けの米国政治の講師として活躍。日米間のビジネスサポートに取り組み、米国共和党保守派と深い関係を有することからTokyo Tea Partyを創設。全米の保守派指導者が集うFREEPACにおいて日本人初の来賓となった。主な著作は『日本人の知らないトランプ再選のシナリオ』(産学社)、『トランプの黒幕 日本人が知らない共和党保守派の正体』(祥伝社)、『なぜ、成熟した民主主義は分断を生み出すのか』(すばる舎)、『メディアが絶対に知らない2020年の米国と日本』(PHP新書)、『2020年大統領選挙後の世界と日本 ”トランプorバイデン”アメリカの選択』(すばる舎)

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