コラム

日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない

2025年04月25日(金)16時55分
ティムラズ・レジャバ(駐日ジョージア大使)
電車

STANISLAV KOGIKUーSOPA IMAGESーSIPA USAーREUTERS

<ジョージア大使夫人が来日したばかりの頃に語った、ある言葉を再考する>

いま日本が旅行先として海外から熱烈な支持を集めている。

日本のキャラクターグッズを手に入れる人たち。ブランド物のショッピング袋を両手からあふれるほどに抱え、流行の飲食店で行列をなし、渋谷のスクランブル交差点で写真を撮ったり走り回ったりする人たち。あるいは着物を身にまとって浅草寺に行き、富士山を借景にして写真を撮る人たち......。

このように楽しそうな外国人観光客の姿がSNSやメディアなどを通じて世界に発信されている。


しかし、こういった観光地や体験だけが日本の本当の魅力であり、インバウンド需要をこれだけ急成長させているのか。あるいは、よく言われるように円安が、この勢いを支える主要因になっているのだろうか。私は、それは表面的すぎると思っている。

この日本旅行ブームのもう1つ重要な理由は「日本の距離感」だと私は考えている。

私の妻が来日したばかりの頃に「日本は周囲の人が干渉してこなくて気が楽だわ!」と何度も口にしていたことを思い出す。

日本に長く暮らしてきた私は、妻が言っていることが最初はよく理解できなかった。しかし今、多くの観光客が日本滞在を楽しんでいる姿を見ると、その真意を理解できるようになってきた。

プロフィール

外国人リレーコラム

・石野シャハラン(異文化コミュニケーションアドバイザー)
・西村カリン(ジャーナリスト)
・周 来友(ジャーナリスト・タレント)
・李 娜兀(国際交流コーディネーター・通訳)
・トニー・ラズロ(ジャーナリスト)
・ティムラズ・レジャバ(駐日ジョージア大使)

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

アングル:日本株の「ニューノーマル」、PER20倍

ビジネス

アマゾン、生鮮食品の当日配送サービス開始 インスタ

ビジネス

米国株式市場=S&P・ナスダック連日最高値、利下げ

ワールド

米、約10億ドルの資金提供を提案 重要鉱物や素材の
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:Newsweek Exclusive 昭和100年
特集:Newsweek Exclusive 昭和100年
2025年8月12日/2025年8月19日号(8/ 5発売)

現代日本に息づく戦争と復興と繁栄の時代を、ニューズウィークはこう伝えた

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大人も大好きな5つの食べ物
  • 2
    「何これ...」歯医者のX線写真で「鼻」に写り込んだ「衝撃の物体」にSNS震撼、13歳の娘は答えを知っていた
  • 3
    「長女の苦しみ」は大人になってからも...心理学者が教える「長女症候群」からの抜け出し方
  • 4
    【クイズ】アメリカで最も「盗まれた車種」が判明...…
  • 5
    これぞ「天才の発想」...スーツケース片手に長い階段…
  • 6
    マスクの7年越しの夢...テスラ初の「近未来ダイナー…
  • 7
    トランプ「首都に州兵を投入する!」...ワシントンD.…
  • 8
    12歳の娘の「初潮パーティー」を阻止した父親の投稿…
  • 9
    「ホラー映画かと...」父親のアレを顔に塗って寝てし…
  • 10
    デカすぎ...母親の骨盤を砕いて生まれてきた「超巨大…
  • 1
    イラン人は原爆資料館で大泣きする...日本人が忘れた「復讐の技術」とは
  • 2
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大人も大好きな5つの食べ物
  • 3
    デンマークの動物園、飼えなくなったペットの寄付を呼びかけ ライオンのエサに
  • 4
    山道で鉢合わせ、超至近距離に3頭...ハイイログマの…
  • 5
    【クイズ】次のうち、「軍用機の保有数」で世界トッ…
  • 6
    職場のメンタル不調の9割を占める「適応障害」とは何…
  • 7
    デカすぎ...母親の骨盤を砕いて生まれてきた「超巨大…
  • 8
    これぞ「天才の発想」...スーツケース片手に長い階段…
  • 9
    「触ったらどうなるか...」列車をストップさせ、乗客…
  • 10
    こんな症状が出たら「メンタル赤信号」...心療内科医…
  • 1
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベーション、医師が語る熟年世代のセルフケア
  • 2
    こんな症状が出たら「メンタル赤信号」...心療内科医が伝授、「働くための」心とカラダの守り方とは?
  • 3
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 4
    デカすぎ...母親の骨盤を砕いて生まれてきた「超巨大…
  • 5
    デンマークの動物園、飼えなくなったペットの寄付を…
  • 6
    ウォーキングだけでは「寝たきり」は防げない──自宅…
  • 7
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が…
  • 8
    山道で鉢合わせ、超至近距離に3頭...ハイイログマの…
  • 9
    イラン人は原爆資料館で大泣きする...日本人が忘れた…
  • 10
    12歳の娘の「初潮パーティー」を阻止した父親の投稿…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story