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日本は東アジアでも突出した「同調圧力」社会

2026年1月14日(水)11時00分
舞田敏彦(教育社会学者)
同調圧力

集団の和を乱さぬために「空気」を読むよう日本の子どもはしつけられる photoAC

<「友人を大切にする」「他人に迷惑をかけない」と親が言い聞かせてもその実現は難しく、子どもの自尊心は低下する>

コロナ禍の時期、外出などの自粛が要請されるなかで、お店を営業したり、子どもを外で遊ばせたりすると、「不謹慎だ」と自粛警察がすっ飛んできたものだ。平時でも、SNS上では他人の些細な過ちをあげつらう「○○警察」がはびこっている。

日本に渦巻く不寛容の精神について、考えさせられるデータがある。東アジアの5都市の母親に、「将来、子どもにどういう人になってほしいか」と尋ねた調査結果だ。ベネッセコーポレーションが2010年に実施した調査で、3~6歳の子がいる母親に対して10の選択肢を提示し、その中から3つまでを選んでもらっている。


東京、ソウル、北京、上海、台北という5都市の母親の選択率を見ると、どの都市でも「自分の家族を大切にする人」が最も高い。東アジアの儒教スピリッツが出ているが、その他の項目を見ると、日本の母親の選択率が段違いに高い項目が2つある。これらを選んだ母親の割合を棒グラフにすると、<図1>のようになる。

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まずは「友人を大切にする」。結構な人間像だが、この項目に重きを置くのは日本の親の特徴らしい。他国では1~2割弱だが、日本の母親は7割がこれをチョイスしている。

友人を大切にするとは、気の合わない人とも仲良くする、集団の和を乱さぬよう「空気」を読む、というふうにも取れる。こういう期待を真に受けた子どもが、いじめを受けつつも必死に人間関係を維持しようとし、自分を追い詰めてしまうこともあり得る。

もう一つは「他人に迷惑をかけない」。これも正論に聞こえるが、誰しも、生きているだけで他人に迷惑をかけているものだ。互いの迷惑(欲求充足)を処理することがすなわち仕事であって、それで社会は成り立っている。字の形を見ると分かるが、「人」は互いにもたれ合って生きる存在だ。

日本人の親は「人様に迷惑をかけるな」と言うが、インド人の親は「お前も迷惑をかけているのだから、他人からの迷惑も許せ」と説く。人口大国、多文化共生の国ということもあってか、後者の考え方は理に適っている。

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