最新記事
グリーンランド

グリーンランド、アメリカ代表団訪問に反発...「購入」に関心を示すトランプ大統領「安全保障上重要」

2025年3月25日(火)11時57分
デンマークの自治領グリーンランド

トランプ米大統領は24日、デンマークの自治領グリーンランドについて、米国の将来において何かしらの重要な存在になる可能性があるという考えを示した。写真は2月、グリーンランドで撮影。(2025年 ロイター/Sarah Meyssonnier)

トランプ米大統領は24日、デンマークの自治領グリーンランドについて、米国が購入すべきとの主張を改めて展開し、米国の将来においてグリーンランドが何かしらの重要な存在になる可能性があるとの考えを示した。一方、グリーンランド当局者らは今週予定される米代表団訪問に批判的な立場を示した。

トランプ大統領は1月の就任以降、グリーンランドの「購入」に関心を示している。また、今週にはウーシャ・バンス米副大統領夫人やウォルツ大統領補佐官(国家安全保障担当)、ライト・エネルギー長官を含む米代表団がグリーンランドを訪問する。


 

トランプ大統領は、グリーンランドが安全保障にとり重要という認識を改めて示した。その上で、米政権は何かが起きることを望んでいる「グリーンランドの人々」と協力していると述べた。「彼らがわれわれに電話をしている」とし、「われわれが彼らに電話しているのではない」と語った。

グリーンランド自治政府のエーエデ首相は、米代表団が米軍基地を訪問し、犬ぞりレースを観戦するという計画は「挑発行為」に当たるとし、同代表団とは会談を行わないと言明。

地元放送局KNRで、「このような干渉はわれわれの民主主義の原則に反するものであり、自決権を尊重していない」と非難した上で、グリーンランドの同盟国はより断固とした態度を示す必要があると述べた。

今月実施されたグリーンランド議会選挙で勝利した民主党のニールセン党首は政治的結束を呼びかけ、連立協議が行われている中での米代表団訪問を批判した。

デンマークのラスムセン外相も訪問は「問題がある」とし、「敬意を欠いている」と指摘。「彼らは単なる観光客ではない。これはシグナルだと感じる。グリーンランドを米国に引き寄せるための魅力攻勢だ」とし、「グリーンランドもデンマークもそれに関心はなく、(訪問は)タイミングが悪い」と公共放送で述べた。

米国家安全保障会議(NSC)のヒューズ報道官は訪問について「グリーンランドの自決権を尊重し、経済協力を進めるパートナーシップを築く」ことが目的だと強調した。



[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2024トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

ニューズウィーク日本版 教養としてのBL入門
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年12月23日号(12月16日発売)は「教養としてのBL入門」特集。実写ドラマのヒットで高まるBL(ボーイズラブ)人気の歴史と背景をひもとく/日米「男同士の愛」比較/権力と戦う中華BL/まずは入門10作品

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


経営
「体が資本」を企業文化に──100年企業・尾崎建設が挑むウェルビーイング経営
あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

ウォン安と不動産価格上昇、過剰流動性だけが背景では

ビジネス

12月の豪消費者信頼感指数、悲観論が再び優勢 物価

ビジネス

ベトナムEVビンファスト、対インドネシア投資拡大へ

ワールド

EUメルコスルFTAに暗雲、仏伊が最終採決延期で結
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:教養としてのBL入門
特集:教養としてのBL入門
2025年12月23日号(12/16発売)

実写ドラマのヒットで高まるBL(ボーイズラブ)人気。長きにわたるその歴史と深い背景をひもとく

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連疾患に挑む新アプローチ
  • 4
    香港大火災の本当の原因と、世界が目撃した「アジア…
  • 5
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 6
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の…
  • 7
    アダルトコンテンツ制作の疑い...英女性がインドネシ…
  • 8
    「なぜ便器に?」62歳の女性が真夜中のトイレで見つ…
  • 9
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 10
    現役・東大院生! 中国出身の芸人「いぜん」は、なぜ…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出を睨み建設急ピッチ
  • 3
    デンマーク国防情報局、初めて米国を「安全保障上の脅威」と明記
  • 4
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 5
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切…
  • 6
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の…
  • 7
    【クイズ】「100名の最も偉大な英国人」に唯一選ばれ…
  • 8
    中国軍機の「レーダー照射」は敵対的と、元イタリア…
  • 9
    香港大火災の本当の原因と、世界が目撃した「アジア…
  • 10
    人手不足で広がり始めた、非正規から正規雇用へのキ…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 3
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 4
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 5
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 6
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 7
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 8
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦…
  • 9
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 10
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中