最新記事
北朝鮮

北朝鮮の金総書記、ウラン濃縮施設を視察...兵器級核物質の生産強化指示

2024年9月13日(金)13時29分
金正恩朝鮮労働党総書記

北朝鮮国営の朝鮮中央通信(KCNA)は9月13日、金正恩朝鮮労働党総書記がウラン濃縮施設を訪れ、生産ラインの稼働状況を視察したと伝えた。新型600ミリ多連装ロケット砲の試射も指揮したという。写真はロケット砲の試射を視察する金氏。KCNAが同日公開。撮影場所は不明(2024年 ロイター)

北朝鮮国営の朝鮮中央通信(KCNA)は13日、金正恩朝鮮労働党総書記がウラン濃縮施設を訪れ、生産ラインの稼働状況を視察したと伝えた。濃縮に使う遠心分離機を増やし、兵器級核物質の増産体制を整えるよう指示した。

金氏は核兵器研究所と兵器級核物質生産基地を視察。KCNAは、金氏が遠心分離機がずらりと並んだ列の間を歩く姿を写した写真も報じた。北朝鮮がウラン濃縮施設の内部を公開するのは異例。


 

視察の日時や場所には言及していない。

金氏は作業員に対し、米国やその同盟国からの脅威に対抗するため、「自衛や先制攻撃能力」に使う核兵器が必要と主張。米国やその追従勢力の核による脅しは「レッドライン(越えてはいけない一線)を越えた」と非難した。

核兵器を「幾何級数的に増やす」方針に沿って遠心分離機の台数を増加し、新型の使用も拡大して兵器級核物質の生産をさらに強化するよう指示した。

北朝鮮のウラン濃縮施設は北西部寧辺の施設を含め、数カ所あると考えられている。

KCNAはこれとは別に、金氏が12日に新型600ミリ多連装ロケット砲の試射を指揮したと伝えた。11日には北朝鮮軍の特殊作戦部隊の基地で戦闘訓練も指導した。

北朝鮮外務省傘下機関の広報官は、ソウルでこのほど開かれた在韓国連軍司令部の加盟国による国防相会合を批判し、同司令部を「戦争組織」と呼んだ。



[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2024トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

ニューズウィーク日本版 ガザの叫びを聞け
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年12月2日号(11月26日発売)は「ガザの叫びを聞け」特集。「天井なき監獄」を生きる若者たちがつづった10年の記録[PLUS]強硬中国のトリセツ

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

米新規失業保険申請、6000件減の21.6万件 7

ワールド

中国、日本渡航に再警告 「侮辱や暴行で複数の負傷報

ワールド

米ロ高官のウ和平案協議の内容漏えいか、ロシア「交渉

ワールド

サルコジ元大統領の有罪確定、仏最高裁 選挙資金違法
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:ガザの叫びを聞け
特集:ガザの叫びを聞け
2025年12月 2日号(11/26発売)

「天井なき監獄」を生きるパレスチナ自治区ガザの若者たちが世界に向けて発信した10年の記録

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで墜落事故、浮き彫りになるインド空軍の課題
  • 2
    【最先端戦闘機】ミラージュ、F16、グリペン、ラファール勢ぞろい ウクライナ空軍は戦闘機の「見本市」状態
  • 3
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるようになる!筋トレよりもずっと効果的な「たった30秒の体操」〈注目記事〉
  • 4
    7歳の娘の「スマホの検索履歴」で見つかった「衝撃の…
  • 5
    ミッキーマウスの著作権は切れている...それでも企業…
  • 6
    【銘柄】イオンの株価が2倍に。かつての優待株はなぜ…
  • 7
    これをすれば「安定した子供」に育つ?...児童心理学…
  • 8
    老後資金は「ためる」より「使う」へ──50代からの後…
  • 9
    「世界の砂浜の半分」が今世紀末までに消える...ビー…
  • 10
    ウクライナ降伏にも等しい「28項目の和平案」の裏に…
  • 1
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判殺到、そもそも「実写化が早すぎる」との声も
  • 2
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるようになる!筋トレよりもずっと効果的な「たった30秒の体操」〈注目記事〉
  • 3
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 4
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やって…
  • 5
    マムダニの次は「この男」?...イケメンすぎる「ケネ…
  • 6
    AIの浸透で「ブルーカラー」の賃金が上がり、「ホワ…
  • 7
    海外の空港でトイレに入った女性が見た、驚きの「ナ…
  • 8
    【銘柄】イオンの株価が2倍に。かつての優待株はなぜ…
  • 9
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 10
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベー…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 6
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 7
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 10
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中