最新記事
ベネズエラ

「今年のクリスマス開始は10月1日」...ベネズエラ・マドゥロ大統領のめちゃくちゃな「緊急事項」宣言の背景とは?

2024年9月9日(月)13時20分
シャミム・チョウドリー
ベネズエラ・マドゥロ大統領

マドゥロの「目くらまし」に効果はあるのか MAXWELL BRICENOーREUTERS

<混乱するベネズエラに3カ月早いクリスマスがやって来る?>

今年7月のベネズエラ大統領選の不正疑惑をめぐる混乱が続くなか、3期目の当選を果たしたマドゥロ大統領は、別の「緊急事項」に目を向けることにしたらしい。

それは──クリスマスだ。

【関連動画】マドゥロ大統領の「今年は10月1日からクリスマス宣言」に拍手する聴衆 を見る


目下の国内問題の解決策は、祝祭シーズンの前倒しだと考えたのか。マドゥロは9月2日に行ったテレビ演説で「国民への敬意と感謝の印に、今年はクリスマス開始を10月1日に布告する」と宣言した。

だが現状は、クリスマスがもたらす「平和、幸福、安全」とは程遠い。大統領選後、政府は抗議デモを弾圧し、2000人以上を逮捕。経済も苦境で、月額最低賃金は2年前から130ボリバル(約500円)に低迷している。

マドゥロの「クリスマス宣言」の数時間後には、ベネズエラ司法当局が大統領選の野党側候補だったエドムンド・ゴンサレスに、扇動や共謀の容疑で逮捕状を発行した。

クリスマスの前倒しより経済と政治危機の解決のほうが先だろう。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

COP30合意素案、脱化石燃料取り組み文言削除 対

ビジネス

ユーロ圏総合PMI、11月速報値は52.4 堅調さ

ワールド

アングル:今のところ鈍いドルヘッジ、「余地大きく」

ワールド

アングル:トランプ氏と有力議員対立、MAGA派に亀
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:世界も「老害」戦争
特集:世界も「老害」戦争
2025年11月25日号(11/18発売)

アメリカもヨーロッパも高齢化が進み、未来を担う若者が「犠牲」に

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判殺到、そもそも「実写化が早すぎる」との声も
  • 2
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 3
    【銘柄】イオンの株価が2倍に。かつての優待株はなぜ成長株へ転生できたのか
  • 4
    中国の新空母「福建」の力は如何ほどか? 空母3隻体…
  • 5
    ロシアはすでに戦争準備段階――ポーランド軍トップが…
  • 6
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 7
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 8
    アメリカの雇用低迷と景気の関係が変化した可能性
  • 9
    幻の古代都市「7つの峡谷の町」...草原の遺跡から見…
  • 10
    EUがロシアの凍結資産を使わない理由――ウクライナ勝…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 3
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR動画撮影で「大失態」、遺跡を破壊する「衝撃映像」にSNS震撼
  • 4
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 5
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 6
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生ま…
  • 7
    【写真・動画】「全身が脳」の生物の神経系とその生態
  • 8
    筋肉の正体は「ホルモン」だった...テストステロン濃…
  • 9
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 10
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 4
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 5
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 6
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 7
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 8
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 9
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 10
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中