最新記事
台湾有事

「中国による台湾軍事侵攻、成功は極めて難しい」 米国防当局者が議会で発言

2023年9月20日(水)09時54分
ロイター
台湾有事のイメージ

米国防総省当局者は19日、米議会下院の軍事委員会で、中国による台湾封鎖は失敗する可能性が高く、台湾に対する直接的な軍事侵攻を中国が成功させるのは極めて難しいとの見方を示した。4月11日撮影(2023年 ロイター/Dado Ruvic/Illustration/File Photo)

米国防総省当局者は19日、米議会下院の軍事委員会で、中国による台湾封鎖は失敗する可能性が高く、台湾に対する直接的な軍事侵攻を中国が成功させるのは極めて難しいとの見方を示した。

イーライ・ラトナー国防次官補(インド太平洋安全保障担当)は中国が台湾を封鎖すれば、台湾の同盟国に対応を準備する時間を与えることになると指摘。封鎖による経済的影響は極めて壊滅的になるため、中国に対処する国際的な決意が高まるとし、「封鎖は成功しない可能性が高く、中国にとってエスカレーションは大きなリスクになる」と述べた。

国防総省統合参謀本部の戦略政策担当のバイス・ディレクターを務めるジョセフ・マクギー陸軍少将も、台湾封鎖を巡る課題を踏まえると、実際に封鎖される可能性はそれほど高くないとの見方を示した。

中国人民解放軍が水陸両用車を利用して台湾に侵攻するのも難しいと予想。数万から数十万の軍隊を東海岸に集結させなければならならず、侵攻の明らかなシグナルを発することになるため、奇襲攻撃にはならないとし、砂浜が少ない台湾の地形や、台湾の人々に戦う意思があることなどを踏まえると「中国軍が台湾を侵攻するのは容易なことではない」と語った。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2023トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

ヘルスケア
腸内環境の解析技術「PMAS」で、「健康寿命の延伸」につなげる...日韓タッグで健康づくりに革命を
あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

ユーロ圏インフレは当面2%程度、金利は景気次第=ポ

ビジネス

ECB、動向次第で利下げや利上げに踏み切る=オース

ビジネス

ユーロ圏の成長・インフレリスク、依然大きいが均衡=

ビジネス

アングル:日銀、追加利上げへ慎重に時機探る 為替次
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:教養としてのBL入門
特集:教養としてのBL入門
2025年12月23日号(12/16発売)

実写ドラマのヒットで高まるBL(ボーイズラブ)人気。長きにわたるその歴史と深い背景をひもとく

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開したAI生成のクリスマス広告に批判殺到
  • 2
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入ともに拡大する「持続可能な」貿易促進へ
  • 3
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 4
    おこめ券、なぜここまで評判悪い? 「利益誘導」「ム…
  • 5
    ゆっくりと傾いて、崩壊は一瞬...高さ35mの「自由の…
  • 6
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 7
    中国最強空母「福建」の台湾海峡通過は、第一列島線…
  • 8
    【独占画像】撃墜リスクを引き受ける次世代ドローン…
  • 9
    中国、ネット上の「敗北主義」を排除へ ――全国キャン…
  • 10
    中国の次世代ステルス無人機「CH-7」が初飛行。偵察…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入ともに拡大する「持続可能な」貿易促進へ
  • 4
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 5
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開した…
  • 6
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連…
  • 7
    自国で好き勝手していた「元独裁者」の哀れすぎる末…
  • 8
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の…
  • 9
    香港大火災の本当の原因と、世界が目撃した「アジア…
  • 10
    身に覚えのない妊娠? 10代の少女、みるみる膨らむお…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 4
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 5
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 6
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 7
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 8
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 9
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 10
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中