最新記事

米ロ関係

米軍、ロシア標的の核攻撃演習実施 爆撃機がロシア国境から20キロ以内に接近

2021年11月24日(水)12時07分
ロシアのショイグ国防相

ロシアのショイグ国防相は米国が爆撃機を使って月初にロシアを標的とする核攻撃演習を実施したと非難した。爆撃機がロシアの国境から20キロ以内に接近したという。写真は11月3日、プーチン大統領との会合が始まるのを待つショイグ国防相(2021年 ロイター/Mikhail Metzel)

ロシアのショイグ国防相は23日、米国が爆撃機を使って月初にロシアを標的とする核攻撃演習を実施したと非難した。爆撃機がロシアの国境から20キロ以内に接近したという。

一方、米国防総省は、演習は公表されていたものであり、国際的なプロトコルに従って行われたとの見解を示した。

ロシアと米国はウクライナ問題を巡り関係が緊迫している。米当局者はロシアがウクライナを攻撃する恐れがあると懸念を示している。

一方、ロシア政府は、米国のウクライナへの武器供給や北大西洋条約機構(NATO)のウクライナ国境付近での軍事演習などを取り上げ、米国やNATO、ウクライナが挑発的で無責任な行動を取っていると非難している。

ショイグ国防相は、米戦略爆撃機の活動が活発化しており、今月に入りロシアの近くで行われた飛行回数は30回と、昨年同時期から2.5倍以上に増加していると語った。

同国防相は、米国の軍事演習「グローバル・サンダー」で、米国の戦略爆撃機10機が西方と東方からロシアに向け核兵器を発射する練習を行ったとし、「国境までの最短距離は20キロだった」と述べた。

ロシア部隊が米国の戦略爆撃機を発見して追跡し、衝突などを避けるため措置を講じたという。

これに対して米国防総省の報道官は「演習は当時公表されており、最大限の訓練と機会を確保するために(戦略軍)、(欧州軍)、同盟国、パートナーと入念に計画されていた。また、国内外の要件とプロトコルを順守していた」と説明した。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2021トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【話題の記事】
・誤って1日に2度ワクチンを打たれた男性が危篤状態に
・新型コロナ感染で「軽症で済む人」「重症化する人」分けるカギは?
・世界の引っ越したい国人気ランキング、日本は2位、1位は...


今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ビジネス

中国製品への80%関税は「正しい」、市場開放すべき

ワールド

ロシアで対独戦勝記念式典、プーチン氏は連合国の貢献

ワールド

韓国地裁、保守系候補一本化に向けた党大会の開催認め

ビジネス

米労働市場は安定、最大雇用に近い=クーグラーFRB
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
2025年5月 6日/2025年5月13日号(4/30発売)

「ゼロから分かる」各国・地域情勢の超解説と時事英語

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    5月の満月が「フラワームーン」と呼ばれる理由とは?
  • 2
    ついに発見! シルクロードを結んだ「天空の都市」..最新技術で分かった「驚くべき姿」とは?
  • 3
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの運動」とは?
  • 4
    健康は「何を食べないか」次第...寿命を延ばす「5つ…
  • 5
    SNSにはトップレス姿も...ヘイリー・ビーバー、ノー…
  • 6
    骨は本物かニセモノか?...探検家コロンブスの「遺骨…
  • 7
    中高年になったら2種類の趣味を持っておこう...経営…
  • 8
    教皇選挙(コンクラーベ)で注目...「漁師の指輪」と…
  • 9
    恥ずかしい失敗...「とんでもない服の着方」で外出し…
  • 10
    韓国が「よく分からない国」になった理由...ダイナミ…
  • 1
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの運動」とは?
  • 2
    健康は「何を食べないか」次第...寿命を延ばす「5つの指針」とは?
  • 3
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得る? JAXA宇宙研・藤本正樹所長にとことん聞いてみた
  • 4
    【クイズ】世界で2番目に「軍事費」が高い国は?...1…
  • 5
    部下に助言した時、返事が「分かりました」なら失敗…
  • 6
    古代の遺跡で「動物と一緒に埋葬」された人骨を発見.…
  • 7
    5月の満月が「フラワームーン」と呼ばれる理由とは?
  • 8
    シャーロット王女とスペイン・レオノール王女は「どち…
  • 9
    日々、「幸せを実感する」生活は、実はこんなに簡単…
  • 10
    インドとパキスタンの戦力比と核使用の危険度
  • 1
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 2
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 3
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの運動」とは?
  • 4
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 5
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 6
    健康は「何を食べないか」次第...寿命を延ばす「5つ…
  • 7
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得…
  • 8
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 9
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 10
    クレオパトラの墓をついに発見? 発掘調査を率いた…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中