最新記事

中国

配車アプリ「滴滴」狙い撃ち、中国政府がIT大手を締め付けたい理由

2021年7月12日(月)12時00分
ジェームズ・パーマー
滴滴出行

滴滴は当局の締め付けのターゲットに COSTFOTO-BARCROFT MEDIA/GETTY IMAGES

<中国共産党に反旗を翻したことなど一度もない滴滴出行が、取り締まり対象になったのはなぜか>

中国当局の警告をよそに、中国の配車アプリ最大手の滴滴出行がニューヨーク証券取引所でIPO(新規株式公開)を果たすやいなや、中国政府は彼らの取り締まりに乗り出した。

滴滴アプリはアプリストアから削除され、決済サービス大手の支付宝(アリペイ)と微信支付(ウィーチャットペイ)は滴滴へのアクセスを停止。米株式市場で滴滴の株価は急落した。

今回の規制には、IT企業大手をさらに締め付けたいとの当局の思惑がにじむ。

滴滴は中国共産党に反旗を翻したことなど一度もないが、当局は直接の支配が及ばない勢力が権力や影響力を独占することを警戒している。

中国のIT企業は比較的自由な環境を許されていたが、そんな時代も終わったかもしれない。

米中デカップリングが進むなかで、中国はアメリカへの個人情報流出と、中国企業が外国の法や規制に支配されるリスクを警戒。中国企業の外国市場上場について、規制を厳格化する方針だ。

From Foreign Policy Magazine

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ウクライナ大統領、印・サウジ首脳と電話会談 米ロ会

ワールド

再送-ウクライナ大統領、サウジ皇太子と電話会談 平

ワールド

欧州首脳、13日にオンライン会合 直後に米正副大統

ワールド

トランプ氏、首都に州兵派遣へ 警察を連邦管理下に
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:Newsweek Exclusive 昭和100年
特集:Newsweek Exclusive 昭和100年
2025年8月12日/2025年8月19日号(8/ 5発売)

現代日本に息づく戦争と復興と繁栄の時代を、ニューズウィークはこう伝えた

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    産油国イラクで、農家が太陽光発電パネルを続々導入する切実な理由
  • 2
    「触ったらどうなるか...」列車をストップさせ、乗客を30分間も足止めした「予想外の犯人」にネット騒然
  • 3
    イラン人は原爆資料館で大泣きする...日本人が忘れた「復讐の技術」とは
  • 4
    イラッとすることを言われたとき、「本当に頭のいい…
  • 5
    デカすぎ...母親の骨盤を砕いて生まれてきた「超巨大…
  • 6
    なぜ「あなたの筋トレ」は伸び悩んでいるのか?...筋…
  • 7
    「靴を脱いでください」と言われ続けて100億足...ア…
  • 8
    こんな症状が出たら「メンタル赤信号」...心療内科医…
  • 9
    【クイズ】次のうち、「軍用機の保有数」で世界トッ…
  • 10
    デンマークの動物園、飼えなくなったペットの寄付を…
  • 1
    こんな症状が出たら「メンタル赤信号」...心療内科医が伝授、「働くための」心とカラダの守り方とは?
  • 2
    デカすぎ...母親の骨盤を砕いて生まれてきた「超巨大ベビー」の姿にSNS震撼「ほぼ幼児では?」
  • 3
    デンマークの動物園、飼えなくなったペットの寄付を呼びかけ ライオンのエサに
  • 4
    山道で鉢合わせ、超至近距離に3頭...ハイイログマの…
  • 5
    イラン人は原爆資料館で大泣きする...日本人が忘れた…
  • 6
    【クイズ】次のうち、「軍用機の保有数」で世界トッ…
  • 7
    職場のメンタル不調の9割を占める「適応障害」とは何…
  • 8
    イラッとすることを言われたとき、「本当に頭のいい…
  • 9
    こんなにも違った...「本物のスター・ウォーズ」をデ…
  • 10
    12歳の娘の「初潮パーティー」を阻止した父親の投稿…
  • 1
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベーション、医師が語る熟年世代のセルフケア
  • 2
    こんな症状が出たら「メンタル赤信号」...心療内科医が伝授、「働くための」心とカラダの守り方とは?
  • 3
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 4
    デカすぎ...母親の骨盤を砕いて生まれてきた「超巨大…
  • 5
    デンマークの動物園、飼えなくなったペットの寄付を…
  • 6
    ウォーキングだけでは「寝たきり」は防げない──自宅…
  • 7
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が…
  • 8
    山道で鉢合わせ、超至近距離に3頭...ハイイログマの…
  • 9
    イラン人は原爆資料館で大泣きする...日本人が忘れた…
  • 10
    12歳の娘の「初潮パーティー」を阻止した父親の投稿…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中