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イランの「北朝鮮製」ロケットを、欧米が全く怖がっていない理由

2021年6月29日(火)19時07分
マギー・ジャイル
イランの衛星打ち上げ

イランの衛星打ち上げの成功率はいまひとつ TASNIM NEWS AGENCYーHANDOUTーREUTERS

<軍事転用も可能なはずのイランのロケット打ち上げ実験だが、いまいち話題にはなっていない>

イランが小型衛星の打ち上げを試みていたらしい。衛星を宇宙に打ち上げるロケット技術は、長距離ミサイルに軍事転用できる。その実験が、イラン核合意を立て直すための交渉が大詰めを迎えていた6月12日に行われていたとなれば穏やかではない。

だが、この打ち上げはさほど大きな話題になっていない。最新の衛星写真によると、イランは新たな打ち上げの準備もしているらしいのだが......。

どうやらそれは、12日の打ち上げが失敗に終わったかららしい。それも失敗はこれで4回連続。さらに、写真を分析した米ミドルベリー国際大学院東アジア不拡散プログラムのジェフリー・ルイスによると、12日に使われたのも、新たに準備中とされるのも、北朝鮮の技術を利用したロケット「シムルグ」のようだ。

シムルグは核弾頭を運搬するには大き過ぎるとルイスは指摘する。「バターナイフみたいなものだ。人を刺すことはできても、究極の目的は果たせないだろう」

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