最新記事

東京五輪

国民の不安も科学的な提言も無視...パンデミック五輪に猛進する日本を世界はこう見る

A REFUSAL TO FACE REALITY

2021年6月17日(木)17時57分
西村カリン(仏リベラシオン紙東京特派員)

210615P18hashimoto_KRN_06.jpg

組織委員会の橋本 KIM KYUNG-HOON-REUTERS

「パンデミック下で開催することがすごい」という、もっと驚くべき発言も出始めた。平井卓也デジタル改革担当相は、5月23日に出演したテレビ番組でこう述べた。「パンデミック下でのオリンピックの開催というモデルを日本が初めてつくることができるのではないか」

東京オリンピック・パラリンピック組織委員会の橋本聖子会長は6月4日の定例会見で大会の意義について聞かれ、「どのような対策を講ずれば開催できるのかを示せれば、今後の日本に世界の観光客を受け入れることに向けて、大きな前進が見られることになる。世界共通の課題を東京五輪が乗り越える姿、レガシーを見せることが東京大会の使命」などと語った。科学的な議論とは全く異なるロジックだ。

また橋本は「このような困難な時代だからこそ大会を開催し、分断された世界で絆の再生に貢献し、スポーツの力で世界を一つにすることが五輪の価値であると確信している。安心してお越し下さい。アスリートの皆さんの健康は組織委員会が必ず守り抜きます」とまで述べた。

東京五輪は科学より、宗教的信念に近い言葉に支配されつつある。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トランプ氏、批判の郵便投票で一票 地元州補選は民主

ビジネス

午後3時のドルは159円近辺へ小幅高、イラン情勢見

ワールド

韓国年金基金、為替ヘッジ比率を長期的に引き上げへ 

ワールド

アングル:戦火のベイルートを走る料理配達員、市民の
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:BTS再始動
特集:BTS再始動
2026年3月31日号(3/24発売)

3年9カ月の空白を経て完全体でカムバック。世界が注目する「BTS2.0」の幕開け

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    中国の公衆衛生レベルはアメリカ並み...「ほぼ国民皆保険」を達成した中国の医療保険の実態とは
  • 2
    三笠宮彬子さまも出席...「銀河の夢か、現実逃避か」モナコ舞踏会に見る富と慈善
  • 3
    【クイズ】2年連続で「世界幸福度ランキング」で最下位になった国はどこ?
  • 4
    イランは空爆により核・ミサイル製造能力を「喪失」…
  • 5
    レストラン店内で配膳ロボットが「制御不能」に...店…
  • 6
    意外と「プリンス枠」が空いていて...山崎育三郎が「…
  • 7
    スペイン王室、王妃と王女の装いに見る「母から娘」…
  • 8
    「有事の金」が下がる逆説 イラン戦争で市場に何が…
  • 9
    「買ったら高いじゃん?」アカデミー賞会場のゴミ箱…
  • 10
    まずサイバー軍が防空網をたたく
  • 1
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期スペイン女王は空軍で訓練中、問われる「軍を知る君主」
  • 2
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え時の装いが話題――「ファッション外交」に注目
  • 3
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が発生し既に死者も、感染源は「ナイトクラブ」
  • 4
    メーガン妃、娘リリベット王女との「お手伝い姿」公…
  • 5
    第6回大会を終えて曲がり角に来たWBC
  • 6
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する…
  • 7
    【衛星画像】イラン情勢緊迫、米強襲揚陸艦「トリポ…
  • 8
    【銘柄】「三菱商事」の株価に高まる期待...ホルムズ…
  • 9
    韓国製ミサイル天弓-II、イラン戦争で96%迎撃の衝撃 …
  • 10
    「マツダ・日産・スバル」が大ピンチ?...オーストラ…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 4
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 5
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 6
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 7
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 8
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 9
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 10
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中