最新記事

英王室

ヘンリー王子夫妻に女の子誕生 名前にこめた亡き母への想いと王室への未練

Lilibet Name Meaning as Queen's Nickname Honored by Meghan and Harry

2021年6月7日(月)17時50分
マット・キャノン、ジャック・ロイストン
英ヘンリー王子夫妻

王室を離脱したヘンリー王子夫妻だが、娘の名前は王室にちなみまくりの Henry Nicholls-REUTERS

<メーガン妃との間に第2子が誕生。ファーストネームはエリザベス女王のごく身近な人向けの愛称「リリベット」>

イギリスのヘンリー王子とメーガン妃は6月6日、第2子となる女の子が生まれたと発表した。名前は「リリベット・ダイアナ・マウントバッテン・ウィンザー」。略して「リリ」と呼ばれることになると見られる。

夫妻は声明の中で、第2子は「これまでの想像を上回る大きな存在」だと述べた。

名前はヘンリーの祖母であるエリザベス女王と、1997年8月に死去した母、ダイアナ元妃にちなんで付けられた。

ファーストネームのリリベットはエリザベスの短縮形で、王室内で使われているエリザベス女王の愛称だ。

エリザベス女王の名前は、母のエリザベス皇太后にちなんで付けられた。「リリベット」という愛称は女王が幼い頃から使われてきたと、過去何十年にもわたって王室の旅行に同行してきた写真家のアーサー・エドワーズは言う。

女王がまだ子供で王位継承権も1位ではなかったころは、手紙の署名も「リリベット」だった。

当時、祖母のメアリー皇太后に送った礼状にはこう書かれている。「大好きなおばあさまへ。かわいいドールハウスをどうもありがとうございました。とても気に入りました。まず食堂とホールの部分を出しました。リリベットより愛を込めて」

女王の父ジョージ6世(兄エドワード8世がいわゆる『王冠をかけた恋』で退位したため王となった)はかつてこう述べていた。「リリベットは私の誇り、マーガレット(エリザベス女王の妹)は私の喜び」と。

フィリップ殿下も女王をそう呼んだ

今年4月に逝去した夫のエディンバラ公フィリップ殿下も、しばしば女王のことをリリベットと呼んだ。

葬儀のためウェストミンスター寺院へと運ばれたフィリップ殿下の棺には「愛に満ちた思い出とともに、リリベット」と書かれた女王からの手紙が添えられていたという。

フィリップ殿下の伝記の著者であるイングリッド・スーアードは本誌に対し、「(リリベットという愛称は)非常にプライベートな名前だ」と語った。

「知る人ぞ知るという名前で、フィリップ殿下が女王を呼ぶ時の名前であり、女王自身が親族、それもごく近しい間柄の相手への(手紙の)署名として使ってきた名前だ」

スーアードはこうも述べた。「チャールズ皇太子が女王のことをリリベットと呼ぶとは思えない」

英王室の人々に関する著書のあるロバート・レイシーがサンデー・タイムズに語ったところによれば、フィリップ殿下は女王のことをよく「キャベツ」と読んでいたという。

さてヘンリー王子夫妻の第2子に話を戻すと、ミドルネームの「ダイアナ」は、もちろん、母であるダイアナ元妃にちなんだものだ。

ダイアナ元妃ことダイアナ・フランセス・スペンサーは1961年に生まれ、のちにチャールズ皇太子と結婚した。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

アングル:現実路線に転じる英右派「リフォームUK」

ビジネス

ネクスペリア中国部門「在庫十分」、親会社のウエハー

ワールド

トランプ氏、ナイジェリアでの軍事行動を警告 キリス

ワールド

シリア暫定大統領、ワシントンを訪問へ=米特使
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    「日本のあの観光地」が世界2位...エクスペディア「今年注目の旅行先」、1位は米ビッグスカイ
  • 3
    9歳女児が行方不明...失踪直前、防犯カメラに映った「意外な姿」に大きな注目、なぜこんな格好を?
  • 4
    だまされやすい詐欺メールTOP3を専門家が解説
  • 5
    米沿岸に頻出する「海中UFO」──物理法則で説明がつか…
  • 6
    筋肉はなぜ「伸ばしながら鍛える」のか?...「関節ト…
  • 7
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 8
    虹に「極限まで近づく」とどう見える?...小型機パイ…
  • 9
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 10
    【話題の写真】自宅の天井に突如現れた「奇妙な塊」…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読み方は?
  • 4
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 5
    【話題の写真】自宅の天井に突如現れた「奇妙な塊」…
  • 6
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 7
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 8
    女性の後を毎晩つけてくるストーカー...1週間後、雨…
  • 9
    9歳女児が行方不明...失踪直前、防犯カメラに映った…
  • 10
    庭掃除の直後の「信じられない光景」に、家主は大シ…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 5
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 6
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 7
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 10
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中