最新記事

航空機

ベラルーシ、民間機緊急着陸で「ハマスが爆破予告」 ハマス否定

2021年5月25日(火)08時37分

ベラルーシは欧州格安航空会社(LCC)ライアンエアー旅客機を緊急着陸させる要因となった爆破予告にはパレスチナのイスラム組織ハマスの名前が記されていたと発表した。写真は5月23日、ベラルーシのミンスク空港に緊急着陸したライアンエアー機(2021年 ロイター)

ベラルーシは24日、欧州格安航空会社(LCC)ライアンエアー旅客機を緊急着陸させる要因となった爆破予告にはパレスチナのイスラム組織ハマスの名前が記されていたと発表した。

ベラルーシ当局は23日、アテネからリトアニアに向かっていたライアンエアー旅客機に対して、危険物が仕掛けられた可能性があるとしてミンスクの空港に緊急着陸するよう指示。着陸後、乗客でベラルーシの反体制派ジャーナリスト、ロマン・プロタセビッチ氏(26)が身柄を拘束された。その後、危険物は発見されていない。

ベラルーシの運輸省高官は爆破予告の文面を公表。それには「われわれハマスの戦士は、イスラエルがガザ地区での戦闘を停止し、欧州連合(EU)がこの戦闘におけるイスラエルへの支持を撤回することを要求する。われわれの要求に従わなければ、(飛行機に仕掛けられた)爆弾が5月23日にヴィルニアス上空で爆発するだろう」と記されていたという。

ベラルーシ外務省は、これを受け国際的な規則に従って行動したと発表した。

一方、ハマスの報道官は「完全に無関係」と主張。「われわれはこのような方法を取らない。一部の不審な組織がハマスを悪者扱いし、パレスチナ人およびパレスチナ人による正当な抵抗に対して世界的な共感を得ることを目的に実行された可能性がある」とした。

ベラルーシ外務省の報道官は、今回の件に関する透明性を確保し、海外の専門家が調査に関与することも認める用意があるとした。

ベラルーシ内務省はこの日、身柄を拘束されたプロタセビッチ氏は刑務所に収監されていると発表した。体調不良は訴えていないという。

プロタセビッチ氏は同日、オンラインに動画を投稿し、健康状態は良好とした上で、昨年のミンスクでの大規模な騒動を主導したと表明。ただ、プロタセビッチ氏の支持者は強要された発言だと非難した。



[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2021トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【話題の記事】
・新型コロナが重症化してしまう人に不足していた「ビタミン」の正体
・世界の引っ越したい国人気ランキング、日本は2位、1位は...



今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

中国、今後5年で民生投資拡大 家計消費のGDP比大

ビジネス

キリンHD、バーボンブランド「フォアローゼズ」売却

ビジネス

カナダ、米国製ステランティス・GM車の関税免除枠削

ビジネス

トランプ氏、カナダとの貿易交渉打ち切り 関税巡る「
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:脳寿命を延ばす20の習慣
特集:脳寿命を延ばす20の習慣
2025年10月28日号(10/21発売)

高齢者医療専門家の和田秀樹医師が説く――脳の健康を保ち、認知症を予防する日々の行動と心がけ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    報じられなかった中国人の「美談」
  • 2
    【2025年最新版】世界航空戦力TOP3...アメリカ・ロシアに続くのは意外な「あの国」!?
  • 3
    「ママ、ママ...」泣き叫ぶ子供たち、ウクライナの幼稚園をロシアが攻撃 「惨劇の様子」を捉えた映像が話題に
  • 4
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 5
    ハーバードで白熱する楽天の社内公用語英語化をめぐ…
  • 6
    国立大卒業生の外資への就職、その背景にある日本の…
  • 7
    「宇宙人の乗り物」が太陽系内に...? Xデーは10月2…
  • 8
    汚物をまき散らすトランプに『トップガン』のミュー…
  • 9
    「石炭の時代は終わった」南アジア4カ国で進む、知ら…
  • 10
    【ムカつく、落ち込む】感情に振り回されず、気楽に…
  • 1
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 2
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号返上を表明」も消えない生々しすぎる「罪状」
  • 3
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多い県」はどこ?
  • 4
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
  • 5
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 6
    【2025年最新版】世界航空戦力TOP3...アメリカ・ロシ…
  • 7
    報じられなかった中国人の「美談」
  • 8
    本当は「不健康な朝食」だった...専門家が警告する「…
  • 9
    「ママ、ママ...」泣き叫ぶ子供たち、ウクライナの幼…
  • 10
    ハーバードで白熱する楽天の社内公用語英語化をめぐ…
  • 1
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になりやすい人」が持ち歩く5つのアイテム
  • 2
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 3
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ監督が明かすプレーオフ戦略、監督の意外な「日本的な一面」とは?
  • 4
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 5
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 6
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 7
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最…
  • 8
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外…
  • 9
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 10
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中