最新記事

米中対立

「米大学内の中国孔子学院、年内の全閉鎖望む」ポンペオ国務長官

2020年9月2日(水)10時06分

ポンペオ米国務長官は、中国との関係について「冷戦アナロジー(類推)は幾分妥当性がある」としつつ、受けている挑戦は異なるとの認識を示した。写真は8月、ニューヨークの国連本部で代表撮影(2020年 ロイター)

ポンペオ米国務長官は1日、米大学内に設置されている中国政府の非営利団体「孔子学院」について、年末までに全てを閉鎖することを望んでいると述べた。

ポンペオ氏は8月、中国政府が出資する孔子学院について、米国の大学や学校などで中国政府のプロパガンダと有害な影響を拡散する機関であるとの認識を示し、大使館などと同様に外交使節としての登録を義務付けると発表した。

ポンペオ氏はFOXビジネス・ネットワークの「Lou Dobbs」に対し「孔子学院についてのリスクを誰もが認識し始めていると思う」と述べ、中国政府は米国の大学でスパイや内通者を採用するための機関に出資していると批判した。その上で、年末までに全てを閉鎖できると望んでいると語った。

中国の王毅国務委員兼外相は8月、米中間の緊張の高まりを受けての発言とみられるが、新冷戦を回避する必要があると呼びかけた。ポンペオ氏は、これについて質問されると「冷戦アナロジー(類推)は幾分妥当性がある」としつつ、受けている挑戦は異なるとの認識を示した。

「人口14億人の国に挑戦を受けており、冷戦とは異なる」と指摘。「冷戦アナロジーはある程度妥当性がある」とする一方、「受けている挑戦は異なる。それは経済的な挑戦だ」と述べた。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【関連記事】
・中国・三峡ダムに過去最大の水量流入、いまダムはどうなっている?
・巨大クルーズ船の密室で横行するレイプ
・戦略性を失った習近平「四面楚歌」外交の末路
・世界が激怒する中国「犬肉祭り」の残酷さ


20200908issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2020年9月8日号(9月1日発売)は「イアン・ブレマーが説く アフターコロナの世界」特集。主導国なき「Gゼロ」の世界を予見した国際政治学者が読み解く、米中・経済・テクノロジー・日本の行方。PLUS 安倍晋三の遺産――世界は長期政権をこう評価する。

今、あなたにオススメ

ニュース速報

ビジネス

仏インフレ率、ピーク過ぎた可能性=中銀総裁

ビジネス

訂正-仏EU基準CPI、5月は前年比6.0%上昇 

ワールド

トルコ新内閣、シムシェキ元財務相が財務相か経済担当

ワールド

クレディ・スイス、毎週数百人が退職=関係筋

今、あなたにオススメ

MAGAZINE

特集:ChatGPTの正体

2023年6月 6日号(5/30発売)

便利なChatGPTが人間を支配する日。生成AIとどう付き合うべきか?

メールマガジンのご登録はこちらから。

人気ランキング

  • 1

    62歳の医師が「ラーメンのスープを最後まで飲み干す」理由 塩分の摂り過ぎより高齢者が注意すべきことは?

  • 2

    【モナコ王室】心境の変化? シャルレーヌ公妃が劇的に髪色を変えてF1モナコ・グランプリへ

  • 3

    「日本ネット企業の雄」だった楽天は、なぜここまで追い込まれた? 迫る「決断の日」

  • 4

    反プーチンロシア人武装集団が、ベルゴロドで逃げ惑…

  • 5

    【画像・閲覧注意】ワニ40匹に襲われた男、噛みちぎ…

  • 6

    NY沖に米軍艦が出現...ウクライナ支援で、アメリカが…

  • 7

    F-16がロシアをビビらせる2つの理由──元英空軍司令官

  • 8

    カーレーサーはレース中、きまって「ある場所」でま…

  • 9

    不支持約60%、かつての「衛星国」でもプーチン支持…

  • 10

    世界で最も稼いだK-POPスター第1位は? BTSメンバー…

  • 1

    【画像・閲覧注意】ワニ40匹に襲われた男、噛みちぎられて死亡...血まみれの現場

  • 2

    「ぼったくり」「家族を連れていけない」わずか1年半で閉館のスター・ウォーズホテル、一体どれだけ高かったのか?

  • 3

    F-16がロシアをビビらせる2つの理由──元英空軍司令官

  • 4

    築130年の住宅に引っ越したTikToker夫婦、3つの「隠…

  • 5

    歩きやすさ重視? カンヌ映画祭出席の米人気女優、…

  • 6

    ロシアはウクライナを武装解除するつもりで先進兵器…

  • 7

    韓国アシアナ機、飛行中に突然乗客がドアをこじ開けた…

  • 8

    「英語で毛布と言えないなら渡せない」 乗客差別と批…

  • 9

    【ヨルダン王室】ラーニア王妃「自慢の娘」がついに…

  • 10

    ジャニー喜多川の性加害問題は日本人全員が「共犯者…

  • 1

    【画像・閲覧注意】ワニ40匹に襲われた男、噛みちぎられて死亡...血まみれの現場

  • 2

    世界がくぎづけとなった、アン王女の麗人ぶり

  • 3

    カミラ妃の王冠から特大ダイヤが外されたことに、「触れてほしくない」理由とは?

  • 4

    「ぼったくり」「家族を連れていけない」わずか1年半…

  • 5

    F-16がロシアをビビらせる2つの理由──元英空軍司令官

  • 6

    築130年の住宅に引っ越したTikToker夫婦、3つの「隠…

  • 7

    日本発の「外来種」に世界が頭を抱えている

  • 8

    歩きやすさ重視? カンヌ映画祭出席の米人気女優、…

  • 9

    チャールズ国王戴冠式「招待客リスト」に掲載された…

  • 10

    「飼い主が許せない」「撮影せずに助けるべき...」巨…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story

MOOK

ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中