最新記事
新型コロナ対策

スウェーデンが「集団免疫戦略」を後悔? 感染率、死亡率で世界最悪レベル

2020年6月23日(火)18時40分
ジョスリン・グレッシュチャック

日常を続けたスウェーデンで感染者、死者数が急増 TT NEWS AGENCY-REUTERS

<人口100万人当たりで換算すると、感染者数も死者数もアメリカと並んで世界屈指の惨状>

新型コロナウイルス対策でロックダウン(都市封鎖)を行わず、集団免疫戦略を取るスウェーデンで6月17日、約1カ月ぶりに1日の死者が100人を超えた。19日時点で感染者数は5万6043人、死者数は5053人に上る。人口100万人当たりで換算すると、感染者数も死者数もアメリカに並び世界最高レベルに達している。

スウェーデンは一部学校の休校や50人以上の集会の禁止などの措置を取ってきたものの、商店や飲食店の営業は規制されず、当初は米保守派などから独自路線を称賛された。

ロベーン首相は6月半ば、スウェーデンのコロナ戦略の「成否を判断するのは時期尚早だ」と発言。「わが国も主要な戦略では他国と変わらない。つまり国内の医療システムが対応できるレベルに感染を抑えているということだ」

だが同国の感染症対策を率いる疫学者アンデシュ・テグネルはラジオ番組で、感染予防策に「改善の余地があったのは明らか」と認めている。

<本誌2020年6月30日号掲載>

【話題の記事】
スウェーデンの新型コロナ感染者数が1日最多に、死亡率も世界屈指
異例の猛暑でドイツの過激な「ヌーディズム」が全開
「集団免疫」作戦のスウェーデンに異変、死亡率がアメリカや中国の2倍超に
街に繰り出したカワウソの受難 高級魚アロワナを食べたら...

20200630issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2020年6月30日号(6月23日発売)は「中国マスク外交」特集。アメリカの隙を突いて世界で影響力を拡大。コロナ危機で焼け太りする中国の勝算と誤算は? 世界秩序の転換点になるのか?

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

ホーム・デポ、通期利益見通し引き下げ 景気不透明で

ワールド

ポーランド鉄道爆破、関与の2人はロシア情報機関と協

ワールド

米、極端な寒波襲来なら電力不足に陥る恐れ データセ

ビジネス

英金利、「かなり早期に」中立水準に下げるべき=ディ
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:世界も「老害」戦争
特集:世界も「老害」戦争
2025年11月25日号(11/18発売)

アメリカもヨーロッパも高齢化が進み、未来を担う若者が「犠牲」に

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR動画撮影で「大失態」、遺跡を破壊する「衝撃映像」にSNS震撼
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    「ゲームそのまま...」実写版『ゼルダの伝説』の撮影風景がSNSで話題に、「再現度が高すぎる」とファン興奮
  • 4
    マイケル・J・フォックスが新著で初めて語る、40年目…
  • 5
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 6
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 7
    報じられなかった中国人の「美談」
  • 8
    「嘘つき」「極右」 嫌われる参政党が、それでも熱狂…
  • 9
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 10
    「日本人ファースト」「オーガニック右翼」というイ…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披露目会で「情けない大失態」...「衝撃映像」がSNSで拡散
  • 4
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 5
    「死ぬかと思った...」寿司を喉につまらせた女性を前…
  • 6
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生ま…
  • 7
    【写真・動画】「全身が脳」の生物の神経系とその生態
  • 8
    筋肉の正体は「ホルモン」だった...テストステロン濃…
  • 9
    「イケメンすぎる」...飲酒運転で捕まった男性の「逮…
  • 10
    「ゲームそのまま...」実写版『ゼルダの伝説』の撮影…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 4
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 5
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 6
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 7
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 10
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中