最新記事

中東

米軍のずさんな武器管理が中東の治安をかき乱す

2020年2月26日(水)19時00分
デービッド・ブレナン

シリア民主軍にも多数の武器が供与されたが ABOUD HAMAM-REUTERS

<ISが米軍の武器を奪って急拡大した後も米軍の武器管理は改善されず、紛失や盗難の有無さえ確認できないという現状>

過激派組織「イスラム国」(IS)が、イラクの治安部隊に供与されていた米軍の武器を奪って勢力を急拡大させたのは周知の事実。中東における米軍の武器管理のずさんさは、その後も改善されていないようだ。

米国防総省が2月18日に公表した報告書によれば、シリアでISと戦うシリア民主軍などの同盟勢力のために米軍が用意した7億1500万ドル相当の武器や装備が適切に管理されていなかったという。

米軍の武器はクウェートの武器庫で保管され、必要に応じてシリア国境に近い地域に移送されていた。だが正確な記録が作成されていなかったために武器の重複購入が多発し、コストも増大。紛失や盗難があっても確認できない状態だった。

またクウェートの武器庫では、収容し切れなかった約4100点もの武器や装備が、屋外に置かれた輸送コンテナなどで保管された。高温多湿の厳しい環境のため、さびなどの損傷が目立ったという。

<2020年3月3日号掲載>

【参考記事】アメリカに見捨てられたISIS掃討戦の英雄たち
【参考記事】「ゴースト」「ドイツの椅子」......ISISが好んだ7種の拷問

20200303issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2020年3月3日号(2月26日発売)は「AI時代の英語学習」特集。自動翻訳(機械翻訳)はどこまで使えるのか? AI翻訳・通訳を使いこなすのに必要な英語力とは? ロッシェル・カップによる、AIも間違える「交渉英語」文例集も収録。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トランプ氏、イランと「力強い協議」実施 「主要な合

ビジネス

年内利下げの見方維持、イラン紛争早期解決なら=米シ

ワールド

トランプ氏、イランのインフラ攻撃5日間延期 トルコ

ワールド

レバノン地上戦、イスラエル民間人初の死者 自軍の誤
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:イラン革命防衛隊
特集:イラン革命防衛隊
2026年3月24日号(3/17発売)

イスラム神権国家を裏からコントロールする謎の軍隊の歴史と知られざる実力

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【銘柄】「三菱商事」の株価に高まる期待...ホルムズ海峡封鎖と資源価格高騰が業績を押し上げ
  • 2
    レストラン店内で配膳ロボットが「制御不能」に...店員も「なすすべなし」の暴走モード
  • 3
    「カメラの目の前」で起きた爆発の瞬間...取材中の記者に、イスラエル機がミサイル発射(レバノン)
  • 4
    「胸元を強調しすぎ...」 米セレブ、「目のやり場に…
  • 5
    スウェーデン次期女王ヴィクトリア皇太子、陸軍訓練…
  • 6
    イランは空爆により核・ミサイル製造能力を「喪失」…
  • 7
    韓国製ミサイル天弓-II、イラン戦争で96%迎撃の衝撃 …
  • 8
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 9
    「筋力の正体」は筋肉ではない...ストロングマンが語…
  • 10
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期スペイン女王は空軍で訓練中、問われる「軍を知る君主」
  • 3
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え時の装いが話題――「ファッション外交」に注目
  • 4
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 5
    メーガン妃、娘リリベット王女との「お手伝い姿」公…
  • 6
    第6回大会を終えて曲がり角に来たWBC
  • 7
    【衛星画像】イラン情勢緊迫、米強襲揚陸艦「トリポ…
  • 8
    【銘柄】「三菱商事」の株価に高まる期待...ホルムズ…
  • 9
    韓国製ミサイル天弓-II、イラン戦争で96%迎撃の衝撃 …
  • 10
    「マツダ・日産・スバル」が大ピンチ?...オーストラ…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 4
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 5
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 6
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 7
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 8
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 9
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 10
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中