最新記事

ウクライナ疑惑

トランプ弾劾早くも停滞? 米民主党、側近の証言を要求し上院送付見合わせも

2019年12月20日(金)11時09分

米民主党は、共和党が多数派の上院に対し、トランプ大統領の弾劾裁判で同氏の側近を証人として呼ぶよう求めた。写真はホワイトハウスで撮影(2019年 ロイター/Joshua Roberts)

米民主党は19日、共和党が多数派の上院に対し、トランプ大統領の弾劾裁判で同氏の側近を証人として呼ぶよう求めた。来年の大統領選を前に、与野党間で弾劾裁判を巡る動きが焦点となっている。

民主党のペロシ下院議長は19日の記者会見で、上院共和党トップのマコネル院内総務がどのように弾劾裁判を進めるか明らかになるまで、弾劾条項を正式に上院に送付しない考えを示した。

民主党側近によると、ペロシ氏は来年1月初めの議会休会明けまで対応を見合わせる見通しという。

マコネル氏は19日の上院本会議で「われわれは望まないものの、送付を保留することが(民主党にとって)何の利益になるのか分からない」と一蹴した。

党側近によると、民主党はマコネル氏に対し、マルバニー大統領首席補佐官代行やボルトン前大統領補佐官(国家安全保障問題担当)らホワイトハウスの現旧補佐官を裁判で証人として呼ぶことを求めている。

上院民主党トップのシューマー院内総務は「トランプ大統領側の主張は、側近が1人も宣誓証言できないほど弱いのか」と問いかけた。

マコネル、シューマー両氏は19日午後に会談。シューマー氏は、2週間の議会休会中に証人を呼ぶことを検討するよう求めた。

マコネル氏は、ペロシ氏が弾劾条項の送付を見合わせる可能性を示したことについて質問されると「われわれは構わない」と答えた。

マコネル氏はこれまでに、弾劾裁判に向けた準備でホワイトハウスと連携していると述べており、民主党からは、中立な立場で証拠を検証する義務を怠っていると批判が上がっている。

トランプ氏は、ホワイトハウスで記者団に対し「われわれには素晴らしい共和党上院議員がいる。彼らの判断に任せる。彼ら次第だ」と述べた。

ペロシ氏は、上院の弾劾裁判の手続きが明らかになるまで、裁判で検察官の役割を果たす下院民主党議員の指名を行わない考えを示した。

下院民主党ナンバー3のジェームズ・クライバーン議員はCNNで、下院は無期限に指名を見合わせることもできると述べた。

民主党のクリス・バンホーレン上院議員はペロシ氏の戦略について、証人を呼ぶよう一部の共和党上院議員を説得する時間を稼ぐことができるとの見方を示した。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2019トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます



20191224issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

12月24日号(12月17日発売)は「首脳の成績表」特集。「ガキ大将」トランプは落第? 安倍外交の得点は? プーチン、文在寅、ボリス・ジョンソン、習近平は?――世界の首脳を査定し、その能力と資質から国際情勢を読み解く特集です。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

米中関税合意、中国内に懐疑的見方 国営メディアが評

ワールド

ハマス、イスラエル系米国人の人質を解放 イスラエル

ビジネス

JPモルガン、中国GDP予想を上方修正 対米関税引

ビジネス

FRB政策対応の必要性低下、米中関税引き下げで=ク
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:2029年 火星の旅
特集:2029年 火星の旅
2025年5月20日号(5/13発売)

トランプが「2029年の火星に到着」を宣言。アメリカが「赤い惑星」に自給自足型の都市を築く日

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    心臓専門医が「絶対に食べない」と断言する「10の食品」とは?...理想は「1825年の食事」
  • 2
    カヤック中の女性がワニに襲われ死亡...現場動画に映った「殺気」
  • 3
    シャーロット王女の「親指グッ」が話題に...弟ルイ王子との微笑ましい瞬間が拡散
  • 4
    母「iPhone買ったの!」→娘が見た「違和感の正体」に…
  • 5
    使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが…
  • 6
    「出直し」韓国大統領選で、与党の候補者選びが大分…
  • 7
    ゴルフ場の近隣住民に「パーキンソン病」多発...原因…
  • 8
    「がっかり」「私なら別れる」...マラソン大会で恋人…
  • 9
    ロシア艦船用レーダーシステム「ザスロン」に、ウク…
  • 10
    5月の満月が「フラワームーン」と呼ばれる理由とは?
  • 1
    心臓専門医が「絶対に食べない」と断言する「10の食品」とは?...理想は「1825年の食事」
  • 2
    健康は「何を食べないか」次第...寿命を延ばす「5つの指針」とは?
  • 3
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの運動」とは?
  • 4
    5月の満月が「フラワームーン」と呼ばれる理由とは?
  • 5
    部下に助言した時、返事が「分かりました」なら失敗…
  • 6
    シャーロット王女の「親指グッ」が話題に...弟ルイ王…
  • 7
    ロシア機「Su-30」が一瞬で塵に...海上ドローンで戦…
  • 8
    使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが…
  • 9
    ついに発見! シルクロードを結んだ「天空の都市」..…
  • 10
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得…
  • 1
    心臓専門医が「絶対に食べない」と断言する「10の食品」とは?...理想は「1825年の食事」
  • 2
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 3
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 4
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの…
  • 5
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 6
    健康は「何を食べないか」次第...寿命を延ばす「5つ…
  • 7
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得…
  • 8
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 9
    【クイズ】世界で2番目に「軍事費」が高い国は?...1…
  • 10
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中