最新記事

米企業

米人権団体がテスラやアップルなど提訴、コンゴ鉱山で児童労働

2019年12月17日(火)14時10分

12月16日、米国に拠点を置く人権保護団体はコンゴ民主共和国でのコバルト採掘で児童労働を支援したとして米大手企業5社を提訴した。写真はコンゴのコバルト鉱山。2016年6月11日撮影(2019年 ロイター/Kenny Katombe)

米国に拠点を置く人権保護団体は15日、コンゴ民主共和国でのコバルト採掘で児童労働を支援したとして米大手企業5社を提訴した。劣悪な環境で子供を働かせ、作業中の事故による死亡やケガの責任があるとしている。

提訴されたのは、テスラ、アップル、グーグル親会社のアルファベット、マイクロソフト、デル・テクノロジーズ。米国に拠点を置く非営利の人権保護団体「International Rights Advocates」が14家族を代表して提訴した。

訴状は、これらの企業が、子供の死亡や事故を引き起こした強制的な児童労働システムを構成していると指摘。コバルト採掘中にトンネルが崩壊して6人が死亡、8人が重大なケガを負ったという。

人権保護団体の法律家によると、家庭が貧しいために学校に行けない6歳の子供が資源大手・グレンコアの鉱山で働いていた。また、日給1.5ドルで週6日働いていた子供もいたという。

グレンコアは、児童労働に関し、すでに提訴されている。

電気自動車(EV)やスマートフォンのリチウムイオン電池の原材料であるコバルトの産出では、コンゴが世界の半分以上を占める。

デルは、児童労働によるコバルト調達を故意に行ったことは決してないとし、調査に着手したと明らかにした。

テスラ、アップル、グーグル、マイクロソフト、グレンコアからのコメントは現時点で得られていない。

[ニューヨーク トムソン・ロイター財団]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2019トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます



20191224issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

12月24日号(12月17日発売)は「首脳の成績表」特集。「ガキ大将」トランプは落第? 安倍外交の得点は? プーチン、文在寅、ボリス・ジョンソン、習近平は?――世界の首脳を査定し、その能力と資質から国際情勢を読み解く特集です。


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

プーチン氏、レアアース採掘計画と中朝国境の物流施設

ビジネス

英BP、第3四半期の利益が予想を上回る 潤滑油部門

ビジネス

中国人民銀、公開市場で国債買い入れ再開 昨年12月

ワールド

米朝首脳会談、来年3月以降行われる可能性 韓国情報
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 3
    米沿岸に頻出する「海中UFO」──物理法則で説明がつかない現象を軍も警戒
  • 4
    「あなたが着ている制服を...」 乗客が客室乗務員に…
  • 5
    9歳女児が行方不明...失踪直前、防犯カメラに映った…
  • 6
    「日本のあの観光地」が世界2位...エクスペディア「…
  • 7
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 8
    虹に「極限まで近づく」とどう見える?...小型機パイ…
  • 9
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 10
    「白人に見えない」と言われ続けた白人女性...外見と…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読み方は?
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    【話題の写真】自宅の天井に突如現れた「奇妙な塊」…
  • 5
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 6
    9歳女児が行方不明...失踪直前、防犯カメラに映った…
  • 7
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 8
    女性の後を毎晩つけてくるストーカー...1週間後、雨…
  • 9
    「日本のあの観光地」が世界2位...エクスペディア「…
  • 10
    だまされやすい詐欺メールTOP3を専門家が解説
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 5
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 6
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 7
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 10
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中