最新記事

ブレグジット

イギリス、合意なきEU離脱リスク、今なお消えない理由

2019年12月2日(月)10時30分

ジョンソン英首相率いる与党・保守党は選挙公約で、来年1月末の期限にきっちりと欧州連合(EU)を離脱する方針を掲げた。写真はロンドンの英議会前で5日撮影(2019年 ロイター/Kevin Coombs)

ジョンソン英首相率いる与党・保守党は11月24日発表した選挙公約で、来年1月末の期限にきっちりと欧州連合(EU)を離脱する方針を掲げた。ただしこれは「言うはやすく行うは難し」だ。

ジョンソン氏が12日の総選挙に勝利し、来年1月31日にブレグジット(英のEU離脱)を実行しても、英国と他のEU加盟27カ国は将来の関係を定めるために11カ月の移行期間を設けて交渉に入る。

そして来年末までに新たな貿易協定がまとまらず(専門家はその公算が大きいとみている)、さらなる交渉に向けた移行期間の延長にも合意できない場合、英国は再び事実上の合意なき離脱という混乱の事態に直面してしまう。

なぜそうなる恐れがあるかを以下に説明する。

来年1月末にブレグジット実現

世論調査の予測通りジョンソン氏の保守党が総選挙で過半数を獲得すれば、同氏は先月にEUと合意した離脱協定案の速やかな議会通過を目指す。

シンクタンクのチェンジング・ヨーロッパのジル・ラター氏は、年内に離脱協定案の可決にこぎ着けるのは不可能に見えるが、来年1月末の期限までの確実なブレグジット達成に向けた迅速な法制化手続きが行われる可能性はあるとの見方を示した。

次の期限までは11カ月

首尾よく来年1月末のブレグジットが実現すると、英国は離脱移行期間に突入し、EUとの長期的な関係を築くための交渉を行う。

現行ルールではこの移行期間を2022年12月末まで延長することが可能だが、保守党は公約で絶対に来年末で移行期間を終えると表明した。

ジョンソン政権やEUの一部高官は、既に規制の枠組み面で共通の出発点に立っている以上、11カ月で貿易協定をまとめるのは英国にとってさほど難しくないと主張している。ジャビド財務相は24日、「われわれはEUと英国の足並みがそろっている地点から(協議を)始める。われわれは全ての重要な原則で意見が一致している」と語った。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

市場の投機的、異常な動きには打つべき手を打っていく

ワールド

米ミネアポリスで連邦捜査官が市民射殺 移民取り締ま

ワールド

米ロとウクライナの高官協議終了、2月1日に再協議へ

ワールド

トランプ氏、中国との貿易協定巡りカナダに警告 「1
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:「外国人問題」徹底研究
特集:「外国人問題」徹底研究
2026年1月27日号(1/20発売)

日本の「外国人問題」は事実か錯誤か? 7つの争点を国際比較で大激論

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡張に新たな対抗手段
  • 2
    データが示す、中国の「絶望的な」人口動態...現実味を帯びる「超高齢化」による「中国社会崩壊」
  • 3
    麻薬中毒が「アメリカ文化」...グリーンランド人が投稿したアメリカを嘲笑する動画にネット爆笑
  • 4
    40代からは「積立の考え方」を変えるべき理由──資産…
  • 5
    ニュージーランドの深海に棲む、300年以上生きている…
  • 6
    サーモンとマグロは要注意...輸入魚に潜む「永遠の化…
  • 7
    ラブロフ、グリーンランドは‌デンマーク​の「自然な…
  • 8
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
  • 9
    「これは違法レベル...」飛行機で「史上最悪のマナー…
  • 10
    トランプを支配する「サムライ・ニッポン」的価値観…
  • 1
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡張に新たな対抗手段
  • 2
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コングスベルグ社のNSMにも似ているが...
  • 3
    データが示す、中国の「絶望的な」人口動態...現実味を帯びる「超高齢化」による「中国社会崩壊」
  • 4
    ラブロフ、グリーンランドは‌デンマーク​の「自然な…
  • 5
    【銘柄】「古河機械金属」の株価が上昇中...中国のレ…
  • 6
    ニュージーランドの深海に棲む、300年以上生きている…
  • 7
    完全に「ホクロ」かと...医師も見逃した「皮膚がん」…
  • 8
    ピラミッドよりも昔なのに...湖底で見つかった古代の…
  • 9
    韓国が「モンスター」ミサイルを実戦配備 北朝鮮の…
  • 10
    麻薬中毒が「アメリカ文化」...グリーンランド人が投…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 3
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 4
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した─…
  • 5
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 6
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 7
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
  • 8
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 9
    前進するロシア、忍び寄る限界...勝者に見えるプーチ…
  • 10
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中