最新記事

貿易戦争

中国、6.7兆円の米国製品に報復関税24日から トランプの対応ではさらに追加関税も

2018年9月19日(水)11時25分

9月18日、中国財政省は米国の追加関税を受け、従来の計画通り約600億ドル相当の米国製品に関税を課すと明らかにした。写真は8日、中国の連雲港で撮影(2018年 ロイター/Stringer)

中国財政省は18日、米国の追加関税を受け、従来の計画通り約600億ドル(約6.7兆円)相当の米国製品に関税を課すと明らかにした。ただ当初予定から税率区分を簡素化し、最高水準を引き下げた。

財政省はウェブサイトで「米国の一国主義、保護貿易主義への対応を余儀なくされ、独自関税で対応するほか選択肢はなかった」と説明した。

対象は5207品目で当初案と変わらず。関税率は当初想定した5%、10%、20%、25%ではなく、5%と10%とした。

液化天然ガス(LNG)や鉱石、コーヒー、食用油など、20%または25%の関税を課す方針だった製品には10%の関税を課す。

冷凍野菜やココアパウダー、化学製品など、10%の課税区分を想定していた製品の関税は5%とした。

24日0401GMT(日本時間午後1時1分)に発動する。財政省によると、米国が追加関税を強行すれば、適切な追加対応策を講じる方針だ。

今回の関税方針は、LNGの米中貿易が加速し、メキシコ湾岸の新ターミナルから輸出が始まろうとするタイミングで公表された。

トムソン・ロイターのデータによると、米国が年初から輸出した1490万トンのうち、中国は160万トンを輸入している。

LNG輸出ターミナルを開発中の米企業にとっては、関税問題が事業への最終投資決定に影響を与えている。

ウッド・マッケンジーのバイスプレジデントは、米LNG事業について「関税が続く限り、事業が前進する公算は小さい。(カナダなど)米国外事業が進む機会になるだろう」と分析した。

今後2年間にわたって、米国内で新たなターミナル4カ所などの操業が段階的に始まる見通し。ほかにも、既存・新設ターミナルで鉄道や施設計画が複数あり、いずれも整備促進に最終投資決定が必要となる。

[北京 18日 ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2018トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

中国万科の社債権者、返済猶予延長承認し不履行回避 

ビジネス

ロシアの対中ガス輸出、今年は25%増 欧州市場の穴

ビジネス

ECB、必要なら再び行動の用意=スロバキア中銀総裁

ワールド

ロシア、ウクライナ全土掌握の野心否定 米情報機関の
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:教養としてのBL入門
特集:教養としてのBL入門
2025年12月23日号(12/16発売)

実写ドラマのヒットで高まるBL(ボーイズラブ)人気。長きにわたるその歴史と深い背景をひもとく

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツよりコンビニで買えるコレ
  • 2
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低く、健康不安もあるのに働く高齢者たち
  • 3
    待望の『アバター』3作目は良作?駄作?...人気シリーズが直面した「思いがけない批判」とは?
  • 4
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦…
  • 5
    週に一度のブリッジで腰痛を回避できる...椎間板を蘇…
  • 6
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 7
    【外国人材戦略】入国者の3分の2に帰国してもらい、…
  • 8
    懲役10年も覚悟?「中国BL」の裏にある「検閲との戦…
  • 9
    「信じられない...」何年間もネグレクトされ、「異様…
  • 10
    米空軍、嘉手納基地からロシア極東と朝鮮半島に特殊…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入ともに拡大する「持続可能な」貿易促進へ
  • 4
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツ…
  • 5
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 6
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開した…
  • 7
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連…
  • 8
    自国で好き勝手していた「元独裁者」の哀れすぎる末…
  • 9
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低…
  • 10
    空中でバラバラに...ロシア軍の大型輸送機「An-22」…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 4
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 5
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 6
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 7
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 8
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 9
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 10
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中