最新記事

貿易戦争

米中通商協議、事態打開の進展なく終了 双方予定通り追加関税発動

2018年8月24日(金)10時15分

8月23日、米ホワイトハウスは、2日間にわたって行われていた米中貿易協議が終了し、「中国の構造問題の解決などを通じた、公平でバランスが取れ、相互主義的な経済関係の実現」について意見交換したと発表した。写真は中国の代表団、ワシントンで撮影(2018年 ロイター/David Lawder)

米中政府の代表団は23日、2日間にわたって行った米中通商協議を終えた。両国間の貿易摩擦が激しくなる中、6月初め以来となる今回の次官級協議で事態の打開に向けた大きな進展はなかった。

ホワイトハウスのウォルターズ報道官は23日、通商協議が終了し、双方が「公平でバランスが取れ、相互主義的な経済関係の実現方法」について意見交換したと発表。協議では、知的財産権や技術移転政策など「中国の構造問題の解決」についても取り上げられたと明らかにした。

報道官はまた、協議に参加した米政府当局者は協議内容についてそれぞれの機関のトップに報告すると語った。

米政府はこの日、予定通り、160億ドル相当の中国からの輸入品に対する25%の追加関税を発動。中国も同時に米製品に対する同規模の追加関税を発動させたが、これによって米中通商協議が決裂することはなかった。今回、中国の代表団は王受文商務次官、米国代表団はマルパス財務次官が率いた。

一方、トランプ政権の高官は別の会見で、米企業の知的財産権侵害や中国政府の産業への補助金という米国側の懸念に中国がまだ対処していないと指摘。米政府は中国側に引き続き問題への対処を促していく、と語った。

ワシントンの中国大使館の報道官からコメントは得られていない。

中国商務省は23日、米国が160億ドル相当の中国からの輸入品に追加関税を課した件で、中国が国際貿易機関(WTO)に提訴したと発表した。

20250325issue_cover150.png
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年3月25日号(3月18日発売)は「2025年の大谷翔平」特集。初の東京ドーム開幕戦に臨むドジャース。「二刀流」復帰イヤーの大谷をアメリカはこう見る

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

金総書記、ロシア高官と会談 「主権守る取り組み支持

ビジネス

トルコ主要株価指数、週間で08年以来の大幅安 政局

ビジネス

FRB当局者、政策変更急がずと表明 トランプ関税の

ビジネス

米国株式市場=反発、関税巡る懸念が緩和 受注獲得で
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:2025年の大谷翔平
特集:2025年の大谷翔平
2025年3月25日号(3/18発売)

連覇を目指し、初の東京ドーム開幕戦に臨むドジャース。「二刀流」復帰の大谷とチームをアメリカはこうみる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャース・ロバーツ監督が大絶賛、西麻布の焼肉店はどんな店?
  • 3
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛ばす」理由とは?
  • 4
    古代ギリシャの沈没船から発見された世界最古の「コ…
  • 5
    止まらぬ牛肉高騰、全米で記録的水準に接近中...今後…
  • 6
    【クイズ】世界で2番目に「レアアース」の生産量が多…
  • 7
    大谷登場でざわつく報道陣...山本由伸の会見で大谷翔…
  • 8
    医師の常識──風邪は薬で治らない? 咳を和らげるスー…
  • 9
    「テスラ離れ」止まらず...「放火」続発のなか、手放…
  • 10
    コレステロールが老化を遅らせていた...スーパーエイ…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛ばす」理由とは?
  • 3
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研究】
  • 4
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 5
    失墜テスラにダブルパンチ...販売不振に続く「保険料…
  • 6
    【クイズ】世界で2番目に「レアアース」の生産量が多…
  • 7
    「若者は使えない」「社会人はムリ」...アメリカでZ…
  • 8
    古代ギリシャの沈没船から発見された世界最古の「コ…
  • 9
    「気づいたら仰向けに倒れてた...」これが音響兵器「…
  • 10
    ローマ人は「鉛汚染」でIQを低下させてしまった...考…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    テスラ離れが急加速...世界中のオーナーが「見限る」ワケ
  • 3
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアでも販売不振の納得理由
  • 4
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛…
  • 5
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやス…
  • 6
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」…
  • 7
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 8
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 9
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦してい…
  • 10
    【クイズ】アメリカを貿易赤字にしている国...1位は…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中